気になる!

文庫 『平安王朝』(目崎徳衛著、講談社学術文庫・1353円)

『平安王朝』
『平安王朝』

奈良時代に完成した公地公民制の律令国家は、税収システムに無理が生じて平安遷都の前後からほころび始め、中央政府の統治能力は徐々に衰退していく。古代から中世への長い過渡期にあたる8世紀後半から10世紀後半にかけての平安前期約200年の歴史を、政治と文化を軸に描き出す。

この時代に発展を遂げた和歌や物語を中心とする王朝文化は、律令制から貴族制へという政治的変化と切り離せない。また、その華やかさの裏面には統治者たちの政治責任の放棄があったことも見逃せない。国文学に精通した歴史学者による名著の待望の復刊。