大阪・西成に残存する「違法露店」 逮捕の瞬間

違法露店を摘発する大阪府警の捜査員ら=11月7日午前4時36分、大阪市西成区(柿平博文撮影、画像を一部加工しています)
違法露店を摘発する大阪府警の捜査員ら=11月7日午前4時36分、大阪市西成区(柿平博文撮影、画像を一部加工しています)

日雇い労働者の街として知られる大阪市西成区の「あいりん地区」。近年、治安は大幅に改善されたものの、届け出のない違法露店は今もなお根強く残っている。2025年大阪・関西万博を見据え、大阪府警は取り締まりを強化しているが、デリバリーや時短営業など販売形態を変え、巧妙に摘発逃れを図る露天商とのいたちごっこは続いている。

未明の逮捕劇

11月7日午前4時ごろ、西成区萩之茶屋のあいりん総合センター南側の路上には、違法露店が20軒ほど並んでいた。段ボールやビニールシートの上で売られているのは、古着や使い古された雑貨、薬などさまざま。「今日あたり(警察の摘発が)危ない気すんねんなー」。露天商の男の1人はそうつぶやきつつ、行き交う人々と談笑していた。

約30分後、様子は一変する。男の露店に私服姿の捜査員約20人が一気に詰め寄り、売られていた薬を手際よく押収。府警はこの日、無許可で薬60錠を販売する目的で陳列したとして、医薬品医療機器法違反(無許可販売)の疑いで、近くに住む男(30)を現行犯逮捕した。男は「違法だと分かっていた」と容疑を認めているという。

府警によると、薬は向精神薬とみられ、10錠1300円で販売。男は昨年3月ごろから露店を開き、月4万~5万円を売り上げていたという。府警は向精神薬560錠を含む医薬品約3200点を押収した。

最盛期には300軒

違法露店は平成22年ごろの最盛期には、南海新今宮駅から南に延びる大通りに約300軒が連なっていたという。平日の早朝から日中にかけ、衣類や雑貨、無修正の違法わいせつDVDのほか、病院から処方されたとみられる薬も横流しされて販売されていた。