COP26成果文書採択し閉幕 「1・5度目標」明記 石炭火力「段階的な削減」

COP26の成果文書の採択を宣言するシャーマ議長(左端)=13日、英グラスゴー(共同)
COP26の成果文書の採択を宣言するシャーマ議長(左端)=13日、英グラスゴー(共同)

【グラスゴー(英北部)=板東和正】国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は13日、世界の気温上昇を産業革命前から「1・5度に抑えるための努力を追求する」とした成果文書を採択し、閉幕した。成果文書では、二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力の「段階的削減」に向けて努力を加速する方針なども明記。COPの成果文書で石炭火力の削減に踏み込んだのは極めて異例で、気候変動対策の前進が期待される。

「1・5度目標」は、2015年に採択された気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」の努力目標。1・5度の気温上昇で異常気象の発生が増加するとされる中、成果文書は1・5度以内の抑制を目指す姿勢を鮮明にした。

成果文書は「1・5度目標」を実現するため、温室効果ガスの世界排出量を30年までに10年比45%削減し、今世紀半ばごろに実質ゼロを実現する必要があると強調。「この重要な10年間」に行動を加速するよう呼びかけた。

成果文書は、石炭火力の「段階的削減」や、化石燃料への非効率な補助金の「段階的廃止」に向けた努力の加速を各国に要求。石炭火力をめぐっては、議長国・英国が成果文書の草案で「段階的な廃止」を明記していたが、石炭火力に依存するインドなどが採択の直前に反発し、土壇場の修正を余儀なくされた。欧州連合(EU)やスイスなどは13日、石炭火力の表現が弱まったことについて「失望」を表明した。

また、成果文書は、先進国が途上国などの気候変動対策に年間1千億ドル(約11兆円)を支出するとの20年までの目標の未達成を受け「深い遺憾」を表明。早急な目標達成を求めた。

一方、COP26では、パリ協定の実施ルールで削減量の国際取引を認める「市場メカニズム」について合意した。

市場メカニズムは、先進国が技術支援などを通して途上国の温室効果ガスの排出量を減らした場合に、その削減量を先進国の削減分として計上できる仕組みで、途上国の温暖化対策を促進する狙いがあるが、運用ルールが定まっていなかった。

成果文書の採択を受け、ジョンソン英首相は13日の声明で「大きな前進」と総括。「石炭(火力発電)を段階的に削減する史上初の国際合意と、(産業革命前と比べた気温上昇を)1・5度に抑える行程表を入手できた」と評価した。

COP26は10月31日に英北部グラスゴーで開幕し、約200国・地域が参加した。序盤で首脳級会合を開催し、岸田文雄首相やバイデン米大統領らが参加。成果文書での「1・5度目標」の表記や石炭火力の扱いなどで交渉が難航したことから今月12日までの会期を延長し、13日も協議を続けていた。