斉藤立、パリ五輪へ覚醒か⁈ 19歳、仁氏の次男 柔道GS初出場制覇

男子100キロ超級決勝で攻める斉藤立(奥)=バクー(国際柔道連盟提供・共同)
男子100キロ超級決勝で攻める斉藤立(奥)=バクー(国際柔道連盟提供・共同)

大器がいよいよ覚醒か-。柔道男子100キロ超級の斉藤立(たつる、国士舘大)が7日に行われたグランドスラム(GS)バクー大会に出場し、GS大会初出場優勝した。言わずと知れた男子95キロ超級で五輪2連覇の斉藤仁氏の次男。父親譲りの恵まれた体格と豪快なスタイルが持ち味の19歳が、3年後のパリ五輪代表争いへ名乗りを上げた。

「ほっとしたという気持ちが一番強い。思ったよりも自分の柔道が通用した」。帰国後の10日、報道陣のオンライン取材に応じた斉藤は嬉しそうだった。

柔道GSバクー大会を制し、帰国後にオンライン取材に応じる斉藤立
柔道GSバクー大会を制し、帰国後にオンライン取材に応じる斉藤立

出場10人でトップ選手不在とはいえ、試合内容も圧巻だった。準々決勝で2018年世界選手権2位のウシャンギ・コカウリ(アゼルバイジャン)を内股で仕留めるなど、4試合オール一本勝ち。高い攻撃力を発揮し、優勝を決めた後も悠然としていた。

190センチ、164キロ。巨体に似つかわしくない柔らかな身のこなしも併せ持つ。父直伝の体落としや内股を武器に、父と同じ強豪の国士舘大に進んで稽古を積み重ねる。現在2年生。昨春の大学入学後は腰痛に苦しんだり、新型コロナウイルス禍で出場機会を失う不運に見舞われたりしたが、今回の優勝でパリ五輪に向けても「いいスタートが切れた」と手応えを口にする。

日本男子の最重量級は2012年ロンドン五輪から今夏の東京五輪まで3大会連続で頂点を逃している。国士舘大総監督で10月から日本男子代表を率いる鈴木桂治監督にとっても、再建は大きなテーマだ。

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