志らくに読ませたい らく兵の浮世日記

ゴッホの絵を見て考えた

立川らく兵
立川らく兵

東京都美術館(東京都台東区)で開催されている美術展に行ってきた。「ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」というタイトルだ。

ヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869-1939)はオランダのクレラー=ミュラー美術館の初代館長を務めた人だそうだ。その美術館の所蔵品からフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-90)を中心にいろんな画家の作品が展示されている。

このゴッホ展ではゴッホのスケッチをたくさん見ることができた。ゴッホが油彩を始める前の時期、鉛筆やペンやチョークでたくさんの習作を描いていたそうだ。その中から20作品ほどが展示されていた。

ゴッホといえば後年のゴテゴテした油彩のイメージが強い。だから白黒だけの素朴な絵柄を見ていくのは、ずいぶん新鮮だ。それにシンプルな素描の方が、プロの絵描きがどれだけうまいのかを、あらためて感じられる気がした。

描かれるのは農村や田園や木々などの、のどかな風景。小屋で干している魚はニシンだろうか。風が吹いてこちらにも匂ってきそうだ。人物は漁師や畑仕事に打ち込む人たち。みんな骨太で力強い。白黒で描かれて華やかさはないけど、それぞれたくましく生きる人たちが丁寧に描かれていた。

そのゴッホが油彩を手掛けるようになってからも、年代によって描き方や色合いが違ってくるから面白い。