漂流する軽石 関東などに接近中か 沖縄では被害広がる

軽石漂流のシミュレーション
軽石漂流のシミュレーション

海底火山で噴出した大量の軽石が沖縄本島や鹿児島県の離島に漂着し、漁業などへの影響が深刻化している問題で、軽石が今後、どこへ漂流するかに警戒感が強まっている。一部が黒潮に乗って北上し、関東地方などに接近するとみられるが、風向きなどで大きく変わる可能性もありそうだ。海難事故につながる恐れもあり、関係機関が注意を呼び掛けている。

予測通りになるか

《軽石は黒潮などの海流により、11月上旬にかけて四国付近の沖合を進み、11月末ごろには千葉県や神奈川県など関東地方の沖合に達する…》

海洋研究開発機構のチームが先月明らかにした予測だ。8月に噴火した小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の周辺に1万個の粒子を散布した場合の漂流状況を、スーパーコンピューターを使ってシミュレーションした。

四国沖では実際、10月30日に足摺岬(高知県)の沖合146キロで、31日には室戸岬(同)の沖合207キロで、数十キロ四方の範囲で軽石が漂流しているのを海上保安庁の航空機が確認しており、同機構では「(11月上旬までの状況は)シミュレーションと矛盾しておらず、おおむね予測通りといえる」と分析する。

同機構によれば、漂流する軽石はすでに黒潮に乗っていると考えられ、観測されていない海域にも広く漂流している可能性があるという。

ただ、このシミュレーションは海流が中心で、風向きなどは考慮していない。これに対し東海大の山田吉彦教授(海洋政策)は「海面を漂う軽石は風の影響を受けやすい。これから冬にかけて北西からの季節風が強くなるため、軽石の多くは太平洋側に流れ、日本列島から離れていくのではないか」と予測する。

山田教授によれば、黒潮に乗った軽石が関東などの沖合に接近しても、海岸に大量に漂着する可能性は低いとみられる。一方、沖縄では北西側に回り込んだ軽石が再び押し寄せ、被害が長引く恐れもあるという。