米中首脳、緊張緩和への糸口探る オンライン会談へ

(左から)バイデン米大統領(ロイター=共同)、中国の習近平国家主席(新華社=共同)
(左から)バイデン米大統領(ロイター=共同)、中国の習近平国家主席(新華社=共同)

バイデン米政権は米東部時間15日夜に予定される初のオンラインでの米中首脳会談で、中国による台湾への威圧などを受けた緊張の高まりや両国外交の膠着(こうちゃく)状態に変化をつけ、対面による本格的な首脳会談につなげたい考えだ。中国は習近平国家主席(共産党総書記)が異例の長期政権化を実現する党大会を来年に控え、不安定要素の米中関係悪化を制御可能な水準にまで落ち着かせることを狙う。

バイデン政権は中国を「唯一の競争相手」と位置付けるが、その内実は「対立」や「競合」「協力」といった関係性が複層的に絡み合ったものと捉える。東・南シナ海での覇権的海洋進出や台湾への威圧といった中国による現状変更の試みを押さえ込む半面、気候変動や新型コロナウイルス対策など地球規模の問題で協力を模索する必要があるとするのはその表れだ。

ブリンケン国務長官は10日、米紙主催の対話集会にオンラインで出席し、対中戦略について、かつて米国がソ連にとった「封じ込め」や、経済関係を切り離す「デカップリング」ではないと説明。あくまでもバイデン政権が掲げる「ルールに基づく国際秩序」に中国を組み込むことを目標にしたものだと強調し、そのために「いずれは対面での首脳会談を開催できることが望ましい」と述べた。

ただ、習氏は昨年1月のミャンマー訪問を最後に国内にとどまり続けている。わずかな感染拡大も許さない「ゼロコロナ」政策を掲げ、コロナ禍で対面外交を控えている。米CNBCテレビは11日、習氏がオンライン会談でバイデン大統領を、来年2月の北京冬季五輪に直接招待するとの見通しを伝えており、五輪が習氏の対面外交復活の機会になるのかが注目される。

一方でブリンケン氏は、習体制の「本性」が、世界最大の経済・軍事強国として世界の主導権を握ろうとしていることにあるとも語り、強い警戒を表明。今回の会談は、こうした懸念をバイデン氏から習氏に直接伝える場にもなる。

習政権は米側との関係安定化へ協調姿勢を見せてきた。米中は10日に気候変動対策の共同宣言をまとめており、トップ会談開催の環境がそろったと考えている。ただ、一方的な譲歩はしない構えを強めており、王毅(おうき)国務委員兼外相は13日にブリンケン氏と電話会談し、台湾問題に関して「『台湾独立』勢力に誤ったシグナルを送るべきでない」と牽制した。(ワシントン 大内清、北京 三塚聖平)