コロナに乗じた「非対面型」の特殊詐欺増加 外国人の受け子も

新型コロナウイルス禍に乗じ、キャッシュカードなどを自宅の郵便ポストに入れるよう指示して、顔を合わせずにだまし取る「非対面型」の特殊詐欺が増加している。カードを受け取る役目の「受け子」が顔を見られるのを避ける狙いがあるとみられる。外国人が「受け子」となるケースも多く、警察当局は「今後増加が予想される手口」と注意を呼び掛けている。

「あなた名義のキャッシュカードで現金を引き出そうとした男が逃げた。被害に遭っているかも」

10月中旬、大阪府東大阪市の80代女性のもとに、金融機関職員を名乗る男からこんな電話があった。

女性が男からの指示で銀行協会を称する男に連絡すると、キャッシュカードの交換を促され、「封筒にキャッシュカードを入れて自宅のポストに挟んでほしい」。女性は男の指示通り、キャッシュカードなどを入れた封筒をポストに投函(とうかん)。しばらくしてからポストを確認したところ、封筒はなくなっていた。

大阪府警寝屋川署は11月10日、この女性のキャッシュカード2枚などをだまし取ったとして、詐欺容疑で中国籍の住居不定、無職、隋子睿(ずい・しぃえい)容疑者(24)を逮捕。隋容疑者は10月にも別の80代女性からキャッシュカードなどを同様の手口でだまし取ったとして逮捕されており、女性2人は少なくとも計約315万円を引き出されていた。

府警特殊詐欺対策室によると、郵便ポストを使った非対面型の特殊詐欺の被害は9月に初めて府内で確認以降、18件の被害が明らかになっている。

同様の手口の詐欺は全国でも相次いでおり、岡山県警では7~9月に14件の被害を確認。中には被害者に対し、「コロナで直接会うことができないので」と伝えていた事例もあった。

外国人が受け子を担うケースも目立っており、府警がこれまで逮捕した受け子4人は全員外国籍だった。本来、「訪問型」の詐欺では外国人が金融機関の関係者などをかたって受け子として相手宅を訪れれば不審がられそうだが、非対面型ならばそのリスクを下げることもできる。

摘発される確率が高い受け子の〝なり手不足〟で、詐欺グループが外国人を勧誘していた可能性もあり、府警幹部は「詐欺グループは外国人を使った犯行にシフトしている。今後増加が予想される手口なので警戒していきたい」と話している。(宇山友明)