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子供は金脈!? クールな塾講師のハートフル物語

中学受験に大切なことは、何でしょう。学べる環境、家族の協力…。いろいろ思い浮かぶが、このドラマの主人公は、無表情にこう言い放つ。〈合格のために必要なのは、父親の「経済力」そして母親の「狂気」〉。経済力、でニヤッとして、狂気、で爆笑してしまった。そこまで言っちゃいますか。確かにそういう面もあるかもしれないけど、身もフタもなさすぎ。

進学塾を舞台にしたドラマ『二月の勝者 絶対合格の教室』(読売テレビ、土曜夜)が、辛辣(しんらつ)すぎて面白い。柳楽(やぎら)優弥さん演じるクールな塾講師・黒木が言いたい放題。「子供は金脈」とか「中学受験は課金ゲーム」とか。ただ、毒舌とは裏腹にドラマはハートフル。発言はストレートすぎるものの、黒木は誰よりも子供たちのことを理解していて、しっかりと成長を促す。新任講師の佐倉(井上真央さんが好演)は、戸惑いながらも彼のことを信頼するように…。

原作漫画は未読で、これからどうなるのかハラハラドキドキ。中学入試まで◯日、とカウントダウンが進む。地球滅亡までの日数を数えていたアニメ「宇宙戦艦ヤマト」方式。右往左往する人々の思いや事情に関係なく、どんどん減る日数が、ドラマを盛り上げる。

実は今春、長男も中学校を受験したばかり。きっかけは、最寄りの公立中にサッカー部がなかったこと。いま、人工芝のグラウンドとサッカー部がある私立中に自転車で通学しているが、受験勉強は途中で投げ出した。塾通いに疲れてしまい、「(作文重視の)思考力入試を受けるから、国算理社はそんなに勉強しなくていい」と主張。もともと偏差値偏重に懐疑的なこともあって、まぁいいか、と6年生の9月に退塾。その後、彼なりに勉強したらしく、なんとか合格。いったい塾ってなんなのか。よくわからなくなったというのが正直なところだ。

その長男、自分も体験したからか「これめっちゃ面白い」と『二月の勝者』を一緒に見ている。「経済力と狂気」のシーンで、笑いながら「うちは両方ないからなぁ」とつぶやいたら、「いや、狂気はあるんじゃないの」だって。うーん、そうかも。(ライター 篠原知存)