COP26交渉大詰め 会期延長の可能性も

サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相(ロイター=共同)
サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相(ロイター=共同)

【グラスゴー(英北部)=板東和正】12日に会期末を迎える国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の交渉が大詰めを迎えている。議長国・英国は二酸化炭素(CO2)の排出量が多い石炭の「段階的な廃止」などを求める成果文書の採択を目指すが、一部の国が合意を拒んでいるとみられる。交渉が長引けば、会期が延長される可能性もある。

英国は10日、会議で採択を目指す成果文書の草案を公表。合意を目指し、各国と交渉を続けている。

草案は、世界の気温上昇を産業革命前から1・5度に抑えるために「努力を追求する」と明記。石炭火力の段階的廃止に加え、化石燃料事業への補助金停止を加速させることも要求した。

ただ、米ブルームバーグ通信などによると、発電コストの安い石炭火力を主要電源とする中国は、石炭の段階的廃止に反対する可能性が高い。中東の有力産油国サウジアラビアも化石燃料への規制が強まることに抵抗している。

サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は10日、COP26で演説し、地球温暖化対策は「特定のエネルギー源への偏見を持たずに」進めるべきだと強調。原油への逆風が強まる議論の流れを牽制(けんせい)した。

また、気候変動対策の資金不足に苦しむ途上国からは、「1・5度目標」を草案に盛り込む方針に反発する声もあがっている。

COP26のシャルマ議長は11日の会合で、12日中のとりまとめに意欲を示したが、気候変動の英専門家は「草案の内容への反発が多く、合意には時間がかかりそうだ」と語った。

パリ協定の実施ルールのうち、まだ合意に至っていない削減量の国際取引を認める「市場メカニズム」をめぐる交渉でも、各国の溝が埋まっていない。

COP26では、米国と中国府が10日、気候変動対策を強化する方針を盛り込んだ共同宣言を発表。欧州連合(EU)のティメルマンス上級副委員長(気候変動担当)は「2大排出国の協力はCOP26での交渉を後押しするはずだ」と期待を示した。ただ、宣言は具体的な数値目標に乏しく、対策の大幅な前進につながらないとの見方もある。