ポスト白鵬不在の相撲新時代 期待感乏しい九州場所

九州場所に向け、稽古する照ノ富士=東京都江東区の伊勢ケ浜部屋(日本相撲協会提供)
九州場所に向け、稽古する照ノ富士=東京都江東区の伊勢ケ浜部屋(日本相撲協会提供)

大相撲九州場所が14日、初日を迎える。白鵬(現・間垣親方)が土俵を去って初の本場所となる九州場所から大相撲は荒波に乗り出す。品格を問う声にさらされながらも、史上最多の優勝45回を積み重ねた大横綱の存在感は唯一無比。代わって土俵を盛り上げてくれそうな有望株も乏しく、新時代幕開けの期待感は膨らまない。

一人横綱となる照ノ富士の力量に疑問の余地はない。白鵬が引退会見で「後を託せる」と述べたのも本音だろう。ただ、九州場所千秋楽翌日には30歳の誕生日を迎え、両ひざには土俵人生を左右しかねない爆弾も抱える。不安定な双肩にすべての責任を負わせるのはあまりにも酷だ。

番付上位も心許ない。大関の正代は5日に30歳となり、25歳の貴景勝は故障が絶えない。そのほかの役力士も御嶽海ら実力者ぞろいとはいえ、「型を持って型にこだわらない。これができれば強くなる」という白鵬のメッセージに応える伸びしろや勢いに欠ける。

日本相撲協会は白鵬が年寄名跡を襲名する条件として、角界の伝統を守るという誓約書の提出を求めた。物議を醸し続けた〝問題児〟に対する不信感の表れだが、土俵上の存在感は他の追随を許さなかったのも事実。看板力士引退の喪失感も痛感させられる再出発となりそうだ。(奥山次郎)