東芝が株主妨害で報告書公表 車谷前社長が「主体的に関与」 報酬返上要求も

東芝本社が入るビル近くに掲げられたロゴマーク=東京都港区
東芝本社が入るビル近くに掲げられたロゴマーク=東京都港区

東芝は12日、昨年7月の定時株主総会をめぐる株主妨害問題について追加調査した「ガバナンス強化委員会」の報告書を公表した。報告書では株主に対する妨害行為が違法とまではいえないとしつつ、「企業倫理に反する行為」と指摘、車谷暢昭(くるまたにのぶあき)前社長も大筋で認識しており、「主体的に関与していた」と認定した。

同日会見した綱川智社長は「経営者として大変恥ずべきことで、会社として真摯に反省すべきだ」と述べた上で、再発防止に取り組む考えを示した。車谷氏については、今後報酬委員会で協議し、必要と認められれば過去にさかのぼって、報酬の返上を求める方針。

報告書では、妨害行為を行った背景について、「外国投資ファンドに対する過度の警戒心と健全な関係構築に向けた姿勢の不足、経済産業省に依存しすぎる姿勢」があったと指摘した。

一方で経産省から株主側に行った働きかけは、日本の経済安全保障などの行政目的に基づくもので、「違法なものであったとみることはできない」とした。

報告書では再発防止のため①株主との信頼関係の構築②行政に依存する体質改善③執行役の業務執行を適切に監督できるモニタリング態勢の再構築-に取り組むことも提言した。

同問題をめぐっては、今年2月、東芝の監査委員会が「不当な干渉に関与したことは認められなかった」と結論付けたが、株主提案を受けて調査した外部弁護士による調査委が6月、東芝が海外の一部株主に議決権を行使しないよう、経産省を通じて圧力をかけていたとする報告書を公表。東芝は原因の究明や責任の所在などを改めて調べるため、ガバナンス強化委を設置し、追加調査を実施していた。