不明者氏名「48時間以内」公表 静岡県、熱海土石流踏まえ方針

7月、大規模な土石流発生現場での捜索活動=静岡県熱海市伊豆山
7月、大規模な土石流発生現場での捜索活動=静岡県熱海市伊豆山

静岡県は12日、7月に同県熱海市で起きた大規模土石流の人命救助対応を踏まえ、災害時の安否不明者の氏名を、発生から48時間以内を目標に公表する方針を明らかにした。早期公表を通じ実際の不明者を絞り込み、生存率が下がるとされる「72時間」以内の救助活動の迅速化につなげる。全国知事会などによると、氏名公表方針を定める都道府県はあるものの、目標時間の明示は異例とみられる。

公表方針によると、災害が起きた際、住民基本台帳を持つ自治体などと連携し、連絡が取れない「安否不明者」の名簿を作成。氏名、大字までの住所、性別について、家族らの承諾がなくても公表する。公表から約1週間を経ても安否が確認できなければ、明らかに災害に巻き込まれて不明となったと判断し「行方不明者」に切り替える。

ただ、家庭内暴力やストーカー、児童虐待の被害者などの場合は非公表とする。死亡者は年齢も含めて公表するが、遺族の承諾を条件とした。

熱海市の土石流では当初、正確な被災者数や状況の把握に手間取ったが、発生から約58時間後の7月5日夜に安否不明者64人の氏名などを公表した結果、本人や家族の連絡などで約40人の無事を確認。捜索対象の絞り込みにつながった。

災害時の安否不明者の氏名公表をめぐっては、全国知事会が6月、公表に公益性があるとして国に公表基準を定めるよう要請。国は9月、公表手続きなどについて検討するよう都道府県に通知し、千葉県や富山県が独自の公表方針を策定している。