習氏、党内不動の地位確立 興梠一郎神田外語大教授

中国共産党の6中総会に臨む習近平党総書記(国家主席、中央)ら=北京(新華社=共同)
中国共産党の6中総会に臨む習近平党総書記(国家主席、中央)ら=北京(新華社=共同)

中国共産党の6中総会で11日採択された歴史決議は、習近平国家主席(党総書記)が党内で不動の地位を確立するための政治的な決議だ。習氏の最大の脅威は党内にあり、決議の狙いは来年の党大会に向け、人事を自派で固めるため抵抗勢力を封じ込めることにある。

過去2回の歴史決議も、党内の政敵を打倒するためのものだった。毛沢東はソ連帰りの王明らの路線を否定し、鄧小平は毛の後継者、華国鋒の失脚に歴史決議を利用した。

過去の決議との違いは、前の時代を否定せず、共産党の歴史を評価している点だ。その上で、自らの新たな成果として、中国の「強国」化や国際的な地位の向上、社会主義の優位性を示したことを挙げ、中華民族が「偉大なる飛躍」を迎えたと、自らを歴史の高みに据えた。存命の江沢民、胡錦濤両氏の扱いを小さくすることで両氏周辺の動きを牽制(けんせい)した。

興梠一郎神田外語大教授
興梠一郎神田外語大教授

習氏は2012年の総書記就任以降、腐敗撲滅の名の下で粛清を繰り返して政敵を排除する一方、党の規則改正で制度的に主導権を握る体制を作り上げてきた。習氏は党内で自らの地位を固めていく手法にたけている。党外の国民は治安関連の法整備ですでに統制下に置かれており、歴史決議は仕上げともいえる。6中総会後に公表されたコミュニケには、49年の「第2の100年」を念頭に習氏の長期政権化を示唆する文言も書き込まれた。

中国共産党における神格化は人為的に行われる。決議によって地位を確立したことで党の宣伝方針が定まり、習氏はカリスマになっていく。国民が動員されるようになれば、習氏は党に外からも影響力を行使できるようになる。(談)