新潟に息づく横田めぐみさんへの思い 青いバラと映画館

青いバラに拉致被害者帰国の願いを込める和田初美さん(左)と「横田めぐみさんとの再会を誓う同級生の会」代表の池田正樹さん=新潟市中央区(本田賢一撮影)
青いバラに拉致被害者帰国の願いを込める和田初美さん(左)と「横田めぐみさんとの再会を誓う同級生の会」代表の池田正樹さん=新潟市中央区(本田賢一撮影)

拉致被害者の横田めぐみさん(57)が昭和52年11月15日、新潟市中央区内の海岸近くで北朝鮮にさらわれてから間もなく44年になる。現場となった市内では帰国を信じ、事件を風化させないための取り組みが続く。めぐみさんへの思いは今も変わらず新潟の街に息づいている。

夢かなう

拉致現場から南東に1キロほどのところにある新潟市中央区の造花店「アートフラワー楽花(らっか)」の店主、和田初美さん(72)は9月から、めぐみさんをはじめ被害者全員の帰国を願い、「夢かなう」の花言葉を持つ青いバラの造花を販売している。売り上げの一部を寄付し、救出活動に役立ててもらう。

「子供を持つ親として、めぐみさんのお母さん(早紀江さん)の心労を考えると、とても心が痛む。85歳とご高齢でもあるので、早く再会という夢をかなえていただきたいと、青いバラの企画を始めた」と和田さんは説明する。

小さな輪つなぐ

きっかけは、和田さんが兄の誕生日プレゼントに造花を贈ろうと、青いバラについて調べたことだった。

拉致被害者帰国の願いを込めた青いバラの造花(本田賢一撮影)
拉致被害者帰国の願いを込めた青いバラの造花(本田賢一撮影)

本物の青いバラはサントリーが平成16年、世界で初めて開発に成功。バラには青色色素を作るのに必要な酵素を生む遺伝子が機能していなかったため、青色のバラは不可能の代名詞とも言われた。それをバイオテクノロジーで実現、花言葉は「夢かなう」となった。

「この花言葉をみて、頭に浮かんだのが拉致問題だった。新潟に暮らす人間にとって、拉致問題は忘れてはいけない出来事だが足踏み状態が続いている。小さな取り組みが救出活動を後押しする大きな動きになっていけばと考えた」(和田さん)

めぐみさんの母校である市立新潟小学校、市立寄居中学校の同級生らでつくる「横田めぐみさんとの再会を誓う同級生の会」代表の池田正樹さん(57)に相談し、青いバラの造花を販売し、売り上げの1割を横田めぐみ基金に寄付することになった。