「独身の日」セールで過去最高更新 中国アリババ

12日、インターネット通販各社による毎年恒例の値引きセールを終え、北京市内では宅配業者が忙しそうに配送作業を行っていた(三塚聖平撮影)
12日、インターネット通販各社による毎年恒例の値引きセールを終え、北京市内では宅配業者が忙しそうに配送作業を行っていた(三塚聖平撮影)

【北京=三塚聖平】中国で「独身の日」と呼ばれる11日に合わせて行われたインターネット通販各社による毎年恒例の値引きセールが、12日午前0時に終わった。最大手のアリババ集団は12日、先行セールも含めた今月1~11日の累計取引額は5403億元(約9兆6千億円)だったと発表。昨年の4982億元を上回り過去最高を記録した。

習近平政権がIT大手の統制を強める中、恒例の取引額の速報を行わないなど異例の態勢で臨んだ。お祭りムードはなかったが商戦自体は好調だった。業界2位の京東集団(JDドット・コム)は3491億元で、大手2社の期間中の取引総額は16兆円に迫った。

アリババによると、今年のセールには過去最多の29万ブランドが参加。国産ブランドの販売好調を中国メディアは伝える。同社は「持続可能な未来の構築に向けた当社の取り組みの一環として、意義深い節目になった」と表明。北京の日系企業幹部は、アリババについて「政治的な影響からPRは低調だったが、現場では例年通り積極的な対応だった」と指摘する。

中国当局は4月、独占禁止法違反でアリババに過去最大の罰金を科す決定を出すなど圧力を強めている。習国家主席は11日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の関連会合のビデオ演説で、独禁法に触れて「国内の一部業界への監督・管理を強化している」と強調。「中国の市場経済の健全な発展を促すのに必要なもので、世界各国の通常のやり方だ」と主張した。

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