「被害増やす」 HPVワクチン積極的勧奨に訴訟弁護団

子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンの積極的勧奨の再開が12日、厚生労働省の専門部会で8年ぶりに正式に認められた。ワクチン接種をめぐっては、接種後に痛みなどの副反応が出たと訴える女性らが国や製薬会社に対する集団訴訟を提起し、被害回復や治療法確立を求めている。厚生労働省専門部会の決定に「さらに被害者を増やすことにつながる」と懸念を示している。

大阪、東京、名古屋、福岡の各地裁で行われている訴訟の原告は130人。接種と原告らが訴える副反応の因果関係など争点は多岐にわたり、平成28年の提訴から約5年がたつが、まだ結論は出ていない。

積極勧奨の再開決定を受け、12日に東京都内で会見した原告の一人で福岡県の梅本美有さん(23)は「ワクチンのせいで私の人生はめちゃくちゃになった。私たちの被害から目をそらさないでほしい」と訴えた。原告らが訴える症状は多種多様で、深刻な記憶障害や学習障害を訴え、進路変更などを余儀なくされた人も少なくないという。

大阪訴訟弁護団共同代表の幸長裕美弁護士は「治療法も確立されておらず、被害を訴える人を置き去りにしたままの積極的勧奨の再開はさらなる被害者を増やすだけだ」と話した。