ロケット見学場が完成 那智勝浦、新たな観光資源へ

堀順一郎町長(左)の説明を聞きながら、屋上からロケットが発射される方向を眺める住民ら=和歌山県那智勝浦町の旧浦神小
堀順一郎町長(左)の説明を聞きながら、屋上からロケットが発射される方向を眺める住民ら=和歌山県那智勝浦町の旧浦神小

本州最南端の和歌山県串本町から民間ロケットが発射される計画に合わせ、隣接する同県那智勝浦町が見学場として整備を進めていた旧浦神小学校(同町浦神)屋上の工事が終わり、12日、地元住民に披露された。ロケットは継続して打ち上げられる予定で、見学場は新たな観光資源として期待が集まっている。

平成25年に統廃合で廃校になった浦神小は発射場から北東約1・6キロにある。2階建て校舎の屋上(約650平方メートル)のうち約270平方メートルを見学場として整備した。コンクリートの屋上は経年劣化で傷んでいたが、床面の一部を改修するなどリニューアル。今年6~7月に約200万円をかけて工事した。

山にさえぎられて発射の瞬間は目にすることができないが、上空をのぼるロケットと迫力ある音を堪能できる。当日は発射の様子を生中継する大型モニターも設置する。

お披露目された屋上には近くの住民が集まり、発射される方向を眺めるなどした。住民の西千恵子さん(85)は「この小学校に来たことはあるけど、屋上は初めて。見晴らしがとてもよく、発射当日はぜひここで見たい」と話した。

堀順一郎町長は「評判がよければ見学場を屋上全体に広げることも考えたい」とし、「宿泊など観光産業への効果が大きく、ロケット関連産業の誘致も力を入れたい」と力説した。

見学場は、このほか発射場から南西約1・5キロにある串本町の田原海水浴場にも設定されており、いずれも飲食や特産品販売のスペースを設ける予定。2カ所で5千人の見学者が見込まれている。

一方、一時、串本町内の旧古座高校と旧古座川病院も見学場として想定されていたが、近くに波を防ぐ柵があることなどから、外された。

串本町のロケット発射場は宇宙事業会社「スペースワン」(東京)が整備。2020年代半ばには年間20機の打ち上げを目指しており、経済波及効果は10年間で670億円に上ると県が試算している。(張英壽)