子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンについて、副反応を検討する厚生労働省の専門部会は12日、平成25年以降中断していた接種の積極的勧奨の再開を正式に認めた。部会は、有効性が確認され、安全性に特段の懸念は認められないとして、「(中断の)終了が妥当」との結論をまとめた。
厚労省は近く正式決定し、再開時期の検討に入る。積極的勧奨の中断後に定期接種期間が過ぎ、無料の接種機会を逃した女性に対する救済措置も検討しており、今回とは別の専門分科会で対応を議論する。
この日の会合では最新の知見として、12~13歳で接種した場合、子宮頸がんの発生率が87%減少するとの英国の研究結果が紹介された。若い世代への接種が効果的で、減少率は14~16歳で62%、16~18歳で34%だったという。
厚労省は接種後に生じた全身の痛みなど多様な症状に苦しむ人への支援策として、診療に当たる全国84の協力医療機関への研修の充実や医療機関と相談窓口となる自治体の連携強化を図る。
また、本人や保護者向けリーフレットを最新のエビデンス(科学的根拠)を踏まえた内容に更新し、現状で定期接種の対象には含まれていない9種類のウイルスの型に対応した9価ワクチンの情報を加えることも決めた。