【北京=三塚聖平】中国国営新華社通信によると、中国共産党の重要会議である第19期中央委員会第6回総会(6中総会)は11日、党創建100年の歴史を総括する「歴史決議」を採択して閉幕した。歴史決議の採択は40年ぶりで、習近平総書記(国家主席)が毛沢東、鄧小平(とうしょうへい)と並ぶ権威付けを行った。来年後半に第20回党大会を開くことも決めたが、習氏がその場で異例の3期目入りを果たすのは確実となった。
閉幕後に発表されたコミュニケは、習指導部の成果を「総合的な国力が新たな段階に飛躍した」と絶賛。国防力や科学技術力などを向上させたと強調した。その上で、第20回党大会について党と国の「重大事」と位置付け、「全党、全軍、全国の各民族・人民は、習同志を核心とする党中央の周囲になお一層緊密に団結する必要がある」と主張した。事実上、習氏の3期目入りを認めた形だ。
コミュニケでは、人事については触れていない。6中総会では、習氏の後継者となる人事調整は行われなかったとみられる。現在68歳の習氏は、来年の第20回党大会で「68歳定年」の慣例を破り、異例の長期政権へ入ることになる。
採択した歴史決議は「党の100年の奮闘の重大成果と歴史経験に関する決議」。全文は公表されていないが、党の歴史を評価しつつ、習氏の歴史的指導者としての地位を確固たるものとし、長期政権を正当化するものだ。
共産党は歴史的な節目で歴史決議を行ってきており、最初は建国の父となる毛が主導して1945年に、2つ目は改革開放政策を進めた鄧のもとで81年にまとめた。それぞれ、毛と鄧が絶対的な指導的地位を固めることにつながっており、歴史決議には党内で重い意味がある。