岸田カラーで実績、年内が勝負 第2次岸田内閣発足

初閣議を終え、記念撮影に臨む岸田文雄首相(前列中央ら)第2次岸田内閣の閣僚=10日午後、首相官邸(桐山弘太撮影)
初閣議を終え、記念撮影に臨む岸田文雄首相(前列中央ら)第2次岸田内閣の閣僚=10日午後、首相官邸(桐山弘太撮影)

第2次岸田文雄内閣が10日、始動した。首相(自民党総裁)は先の衆院選で自民が単独で国会の安定運営に必要な絶対安定多数(261議席)を確保した勢いを背景に、憲法改正に向けた取り組みを強化する。改憲を実現する本格政権に向けては来夏に迫る参院選での勝利が至上命令で、新型コロナウイルス対応のための大型経済対策など重要課題にスピード感を持って対応することが求められる。

「衆院選の結果を踏まえ、党是である憲法改正を進めるため国民的議論のさらなる喚起と国会における精力的な議論を進めるよう指示した」

首相は10日の記者会見で改憲に向けた党の体制強化を強調した。改憲勢力の日本維新の会、国民民主党を念頭に「改正を実現するためには、与野党の枠を超えて3分の2以上の賛成が得られるようにしっかりと努力を続けていくことが大事だ」とも語った。

首相は党総裁任期中の改憲を目指しており、党関係者は「参院選にも勝利して発議できれば、3年後の総裁選で再選への道筋ができる」と期待を込める。

支持拡大に向けて景気を上向かせるためには、大型経済対策を早期に閣議決定し、裏付けとなる令和3年度補正予算案の年内成立が欠かせない。首相側近は「今後の岸田政権は、この1カ月半にかかっている」と表情を引き締める。

実績作りを急ぐ首相は衆院選の最中の10月26日、「成長と分配の好循環」を議論する「新しい資本主義実現会議」を立ち上げた。今月9日にはデジタル化に関わる規制や改革を一体的に検討する「デジタル臨時行政調査会」、社会保障全般を検討する「全世代型社会保障構築会議」など3つの会議体を発足させた。

「新しい資本主義」と「全世代型社会保障」は政策に明るい甘利明前幹事長に近い山際大志郎経済再生担当相が所管。デジタル臨調は、政府や党でデジタルに携わってきた牧島かれんデジタル相と小林史明デジタル副大臣の衆院当選4回コンビが担う。

第2次内閣は「岸田カラー」を打ち出した第1次内閣のほぼ全ての閣僚を再任した。唯一交代した外相に起用した林芳正氏は米国に豊富な人脈を持ち、日米同盟を基軸とする自身と同じ方向性で外交に取り組めると判断した。

独自色を出しつつ、短期間で結果を出すことは簡単ではない。しかし、実績を出さなければ本格政権への道は厳しくなる。(長嶋雅子)