川勝氏謝罪も自民「撤回で済まぬ」辞職請願市民は抗議

「御殿場にはコシヒカリしかない」との発言について、再度の釈明会見に臨んだ川勝平太静岡県知事=10日午後9時50分ごろ、県庁(田中万紀撮影)
「御殿場にはコシヒカリしかない」との発言について、再度の釈明会見に臨んだ川勝平太静岡県知事=10日午後9時50分ごろ、県庁(田中万紀撮影)

川勝平太静岡県知事が、10月の参院静岡選挙区補欠選挙の応援演説で御殿場市を「コシヒカリしかない」などと揶揄(やゆ)したような自身の発言について10日夜に謝罪、撤回したが、市民から知事辞職請願が出されている県議会内では受け止めに温度差が生じている。自民党は「撤回では済まない」などと幕引きさせない考えを強調する一方、川勝氏を支える会派は御殿場市側の理解を得たとの認識を示している。

「本心から謝罪していないと感じる」。静岡県議会最大会派、自民改革会議の野崎正蔵代表は11日、記者団にこう語り、「撤回しても時計は戻らない。これで終わっていいのかという意見はたくさんいただいている」と牽制(けんせい)した。木内満政調会長も「発言自体が、知事としての資格を欠いているのではないかというのが論点だ」と強調した。

同会派は12日の役員会で、請願の扱い、問責や不信任といった決議案の提出の是非などを話し合う。

公明党県議団の蓮池章平団長は、強気だった前日の釈明会見から一転しての川勝氏謝罪に「釈然としない。真意が分からない」と首をかしげ、「知事発言への信頼性が低下している。県政を混乱させた」と指摘した。請願への今後の対応は自民と協議するとしたが、問責や不信任などの決議案は「現時点では考えていない」と述べた。

一方、川勝氏に近い第2会派、ふじのくに県民クラブの佐野愛子会長は「誠意をもって謝り、市長、議長にも通じた」と評価。だが「12日の(定例)記者会見で県民全体に対して改めて謝罪することを期待して見守りたい」とも述べた。

同会派は、批判が広がった9日の会見後の川勝氏に「もう一度しっかり謝罪しては」と進言したほか、10日夜には川勝氏が訪ねた御殿場市役所に所属議員も姿を見せるなど、沈静化に躍起となっている。

知事辞職請願を提出した御殿場市の自営業、嶋田康一さん(50)は11日、「謝罪は認めるが、川勝氏が県のトップをこのまま続けることは私は認めない」と憤り、県庁付近で辞職を求める抗議活動を行った。「地域差別主義 川勝知事は辞職せよ」などと記した看板を掲げ、拡声器で「謝罪するのに何日かかったのか。傷ついた悲しい気持ちはどこに投げればいいのか」などと訴えた。