餌「並作」も群馬でクマ出没注意 直近2年で人里経験、増加懸念

群馬県鳥獣被害対策支援センター(高崎市)は、県内の今年度のクマの人里への出没予測を発表した。それによると、大量出没の可能性は低いとする一方で、直近2年間で餌となる堅果類(ドングリ)が少なかったことを踏まえて予想に反し増加懸念があるとして「十分な注意」を呼び掛けていく。

クマは冬眠前の秋から晩秋にかけ、餌となる堅果類を求めて行動範囲を広げ、十分な餌が得られなければ人里へ出没する傾向がある。このため同センターは毎年9月ごろ利根沼田地域の堅果類の実り(豊凶)状況を実地調査し、出没予測に役立てている。

今年度の調査では、ブナ、ミズナラ、クリがいずれも不作だったが、コナラ並作、ミズキ豊作となり、5樹種合計で「並作」という結果だった。一般的には人里への大量出没の可能性は低くなる見通しとなり、同じく「並作」で出没頭数が95頭だった平成30年度などの水準に並ぶとみられている。

しかし、「不作」だった令和元年度、「凶作」だった同2年度は人里でクマが大量出没した。同センターは「クマは直近2年間で人里で餌を得た経験があり、それをもとに山中の餌の有無にかかわらず人里へ出てくる恐れがある」と指摘。今後、事前予測を覆す恐れがあると懸念している。

同センターは、農家がクマの餌となる農作物を放置したりしないよう注意を呼びかける。また、普段クマが出没しない地域でも警戒の必要があるとしている。