2大排出国が協力、温暖化対策の前進に期待 米中が共同宣言

COP26で話す中国の解振華担当特使=10日、英グラスゴー(AP=共同)
COP26で話す中国の解振華担当特使=10日、英グラスゴー(AP=共同)

【グラスゴー(英北部)=板東和正】米国と中国の両政府は10日、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)での交渉に絡み、2020年代の今後10年間で気候変動対策を強化する方針を盛り込んだ共同宣言を発表した。COP期間中の米中による共同宣言は異例。気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」の目標達成のため、温室効果ガスの2大排出国が協力姿勢を打ち出したことで交渉の前進が期待される。

米中両政府で気候変動問題を担当するケリー大統領特使と解振華担当特使が10日、英北部グラスゴーでそれぞれ記者会見し、宣言の合意を表明した。

米中は共同宣言で、温暖化対策に関し20年代を「重要な10年間」と指摘。パリ協定が掲げる「世界の気温上昇を産業革命前から1・5度に抑える」努力目標の実現に向け、「(今後10年間で)気候変動の危機に取り組むことを約束する」と表明した。

共同宣言では、両国が35年の排出削減目標を25年に国連に提出する方針を明記。双方の20年代の具体的対策の状況を検証するために、作業部会を設置する意向を示した。

共同宣言は、パリ協定の目標と米中を含めた現在の世界の排出削減努力との「ギャップを可能な限り早く埋めることが極めて重要」と強調した上で、「ギャップの解消に向けた気候変動対策と協力を強化し、加速することを宣言する」とした。

さらに、共同宣言では温室効果ガスを削減するための具体策に言及。22年に開催予定のCOP27までに、米中双方が二酸化炭素(CO2)より温室効果が高いメタンの排出規制を強化する措置を実施する方針を示した。両国が、違法な森林破壊を阻止する取り組みや再生可能エネルギーの支援などでも協調するとした。

また、発電コストの安い石炭火力を主要電源とする中国が石炭消費量を段階的に削減するとも明記した。

中国と米国は国別の温室効果ガス排出量のトップ2だが、COP26の首脳級会合でバイデン米大統領が演説する一方、中国の習近平国家主席は欠席するなど、足並みの乱れが指摘されていた。

ケリー氏は10日、米中は「(気候変動対策の)道を示さなければならない」と表明。解氏も同日、「COP26の成功を確実にするため、米中が連携する」と言明した。

共同宣言を受け、国連のグテレス事務総長は10日、自身のツイッターで「正しい方向への重要な一歩だ」と歓迎の意を表明。欧州連合(EU)のティメルマンス上級副委員長(気候変動担当)もツイッターで「2大排出国の協力はCOP26での交渉を後押しするはずだ」と期待を示した。