肥後、鹿児島両銀行を傘下に置く九州フィナンシャルグループが11日発表した令和3年9月中間連結決算は、一般企業の売上高にあたる経常収益が前年同期比2・4%減の876億円、最終利益が同25・0%増の115億円と減収増益だった。新型コロナウイルスの影響を見越し、前年同期に積み増していた信用コストが減少したほか、法人コンサルティング業務の手数料収入増が増益につながった。
信用コストは、新型コロナの影響が当初想定を下回ったため同18億円減の26億円にとどまった。事業承継やSDGs(持続可能な開発目標)向けのコンサルなどの手数料収入が伸び、役務取引等利益は同12億円増の74億円だった。
銀行単体では、肥後銀が店舗の移転統合に伴う減損損失を積極的に計上したため減収減益。鹿児島銀は増収増益だった。
4年3月期の通期業績予想は、経常収益が前期比6・8%減の1685億円、最終利益が前期と横ばいの150億円と、いずれも当初予想を上方修正した。
笠原慶久社長は記者会見で「現在の中期経営計画の初年度としては順調な滑り出しだ。コンサル業務の手数料収入が大きく増え、ビジネスモデルの転換、拡大がうまく進んでいる」と述べた。