タイ最高裁、王室改革要求を違憲判決 「立憲君主制の転覆図る」

10日、タイのバンコクで、王室改革の要求を違憲とした憲法裁判所の判決を受け、メディアの取材に応じるパヌサヤ氏(AP)
10日、タイのバンコクで、王室改革の要求を違憲とした憲法裁判所の判決を受け、メディアの取材に応じるパヌサヤ氏(AP)

【シンガポール=森浩】タイ憲法裁判所は10日、王室改革を要求するデモを実施した学生指導者のパヌサヤ氏ら反体制派3人について、「立憲君主制の転覆を図ろうとした」と認定し、改革要求を違憲とする判決を出した。王室改革を求める動きを封じる判決といえ、デモ隊側が反発を強める可能性がある。

タイでは昨年2月、軍政の流れをくむプラユット政権に批判的な立場だった野党「新未来党」が解党に追い込まれたことをきっかけに反政府デモが起きた。デモ隊はプラユット首相退陣のほか、軍と関係が深い王室の改革を要求。3人は8月以降、集会などで王室への侮辱を罰する不敬罪の廃止や王室財産の透明化などを訴えていた。

憲法裁は10日の判決で、「王室は常に尊敬されてきた」と指摘し、3人の行動は国の分裂を図ったものと批判。「国王を元首とする民主主義体制を打倒する権利と自由は行使できない」と定める憲法の条文に違反すると断じた。パヌサヤ氏は判決後、要求しているのはあくまで王室の改革であり、「転覆ではない」と反論した。

タイ政府はデモが激化して以降、2年以上停止してきた不敬罪の運用を再開し、数十人を摘発した。3人は既に同罪でも訴追されている。地元メディアによると、今回の憲法裁の判決によって、最高刑が死刑の国家反逆罪で訴追される可能性があるという。