中国共産党系の環球時報の胡錫進編集長は昨年5月、「米国の戦略的野心を抑止」するために核弾頭を短期間のうちに千発まで増やさなければならないとSNSで訴えた。実現すれば推定3倍増だ。当時、北京の日本人外交官の中には「もしこれが中国当局の(反応を見るための)アドバルーンで、戦略的な変更の試みならば日本の安全保障にとって絶対まずい」と危機感を持つ人もいた。
杞憂(きゆう)ではなかった。
中国はいま、米国とロシア(旧ソ連)が危険すぎるために冷戦時代から互いに封印してきた〝禁じ手〟の核兵器技術まで使って、米国に対する核抑止力を一気に高めようとしている。