首相会見詳報

(1)「総選挙で叱正もいただいた」

会見に臨む岸田文雄首相=10日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
会見に臨む岸田文雄首相=10日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

岸田文雄首相は10日夜、第2次岸田内閣の発足を受けて記者会見した。詳報は以下の通り。

「本日、第101代内閣総理大臣に指名され、引き続き重責を担うこととなった。改めましてどうぞよろしくお願い申し上げます」

「先の総選挙では、岸田政権にわが国の舵取りを引き続き担うようにとの民意が示された。私は厳粛な思い、身の引き締まる思いでこの民意を受け止めている。多くの選挙区で接戦が相次いだ今回の選挙結果、私は自公連立政権に対する期待と同時に、国民の皆さんからのご叱正もいただいた。このように感じている。国民の声にこれまで以上に耳を傾け、現場で起こっている問題に正面から取り組み、国民の信頼と共感を得ながら、丁寧で寛容な政治を進めていく。この道以外に国民からの信任を保っていく道はない。そうした覚悟を新たにしながら、第2次岸田政権の政権運営を進めていく」

「新型コロナウイルス対応、経済政策、外交安全保障。どれも状況は緊迫しており、政治空白は一刻も許されない。そうした思いで、総裁選、そして組閣、総選挙と最大限のスピードで駆け抜けてきた。これからは、このスピード感を政策実行にそのまま発揮すべく全力を挙げていく」

「新型コロナ対応は引き続き最優先の課題だ。今週中に新型コロナ対応の全体像を取りまとめ、国民の皆さんにお示しする。まず今後、感染力が2倍になった場合にも対応できる医療体制をしっかり確保する。公的病院の専用病床化をはじめ、新たな病床を確保し、病床使用率を8割以上とする。この夏に比べて3割増しの3・5万人以上の方が確実に入院できる体制を11月末までに作る。軽症者向けの宿泊療養施設についても、今年の夏と比べて2割増、1万室以上へ増やしていく。すべての自宅、宿泊療養者に遅くとも陽性判明の翌日までには連絡を取り、健康観察や診療を実施できる体制を確保する」

「これらの取り組みに加え、ワクチン、検査、飲める治療薬の普及による予防。発見から早期治療までの流れをさらに強化する。ワクチンは12月から3回目のブースター接種を始める。2回目接種完了から、おおむね8カ月以降のタイミングで、18歳以上の希望する全ての方が接種を受けられるようにする。12歳未満の子供も、薬事承認された後接種を開始する。いずれも専門家の意見も踏まえた上で対応していく」

「検査については、感染拡大時に無症状者でも無料で検査が受けられるようにする。感染が拡大した場合でも、ワクチン検査パッケージを活用することで行動時の安全安心を確保する」

「今後の切り札となる飲める治療薬については、年内実用化を目指す。2倍以上の感染力に対応できるよう、薬事承認が行われれば、まず速やかに合計60万回分を医療現場に提供する。さらに100万回分を確保し、今後に万全を期していく。これまでの新型コロナ対応を徹底的に検証し、来年の6月までに、司令塔機能の強化も含めた感染症危機管理の抜本的強化策を取りまとめていく」

「来週中に数十兆円規模の経済対策を取りまとめる。年内のできるだけ早期に補正予算を成立させ、国民の皆さんに一刻も早くお届けする。総裁選のときから、非正規、女性、子育て世帯、学生をはじめ、コロナで困る皆さまへ給付金を届けると申し上げてきた」

「個人向け給付金について、本日公明党の山口那津男代表と、基本的な方向性で合意をした。非正規など経済的にお困りの世帯に対し、1世帯当たり10万円の現金給付を行う。コロナ禍で、厳しい経済状況にある学生にも就学を継続するための10万円の緊急給付金を支給する。困窮している方々には、このほか生活困窮者自立支援金の拡充など、さまざまなメニューを経済対策で用意する」

「子育て世帯に関しては、年収960万円を超える世帯を除き、18歳以下に1人当たり10万円相当の支援を行う。予備費も活用し、年内にプッシュ型で5万円の現金給付を始める。その上で、来年春に向けて5万円相当の支援を行う。子育てに有効に活用いただけよう、クーポン、バウチャー方式を原則とした仕組みとする」

「事業者向けの給付金は、昨年の持続化給付金並みの支援を事業規模に応じて、11月から3月までの5カ月分まとめて一括で給付する。雇用調整助成金は、感染が拡大している地域、業況の厳しい事業者の方々向けの特例を3月まで延長する。また、最近のガソリン灯油価格の高騰を踏まえ、農業、漁業など関係業界やお困りの方々に対する支援を行う」

=(2)に続く