専制主義への恐怖心抱いた
55年体制以来、日本の政治は〝保革対立〟といいながら民主党政権の3年3カ月などを除いてほぼ常に自民党が主体となってきた。自民党が良い政党だとしても、同じ党が永久に政権を握っている姿は国際常識では普通ではない。
欠陥が出れば即時、政権交代ができる体制を準備しておく必要がある。今回の衆院選でそういう受け皿のごときものができるのではないかとの期待もあった。その期待が「立憲150議席か」などという楽観論を生んだが、なんとマイナス13の96議席。なぜこんな見込み違いが起きたか。各マスコミは間違いの原因を探っているが、敗戦の原因は国民が立憲民主党と共産党の野合を忌避したからだ。
ヨーロッパでは政権交代は容易に起きる。起きたからといって体制が変わるわけではないから、国民は政権交代に不安を持たない。ところが日本の場合は〝政権選択〟選挙だというから国民が不安になる。なぜ騒ぎになるかといえば、自民党が負ければ社会主義の専制主義体制になるかもしれないとの恐怖感を抱く。香港の現実を見ていれば全体主義、専制主義の恐ろしさを実感できる。