首相会見詳報

(4)Go To トラベル「仕組みを抜本的に見直し再開時期を見極める」

会見で記者からの質問を聞く岸田文雄首相=10日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
会見で記者からの質問を聞く岸田文雄首相=10日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

=(3)から続く

「さらには賃上げについても、民間の皆さんにしっかり努力いただくために、賃上げ税制を見直すと申し上げた。従来賃上げ税制あったではないかという指摘もあるが、従来の賃上げ税制は人件費総額に視点を当てて、評価して、そして控除を行う。こういった仕組みだったが、それでは一人一人の賃上げにはつながらない。よって人件費総額ではなく、その給与の平均、一人一人の給与の平均の引き上げを評価して、さらに控除額をさらに大きくする」

「こういう形で賃上げ税制もバージョンアップすることによって、より民間の協力を促すことができるとか、それから赤字企業に対するさまざまな補助金についても賃上げを一つ条件にするとか‥。そういった形で、従来にも増して民間の皆さんの協力を得られる。そして何よりもそれに先駆け、公的価格。国が主導できる賃金について、国が率先して引き上げることによって、民間の努力をさらに促していく。こうしたあの従来の取り組みに、ひと工夫ふた工夫加えることによって、それぞれの課題、具体的な結果につなげていく。その全体をつなぎ合わせることによって、成長と分配の好循環を実現する。このように考えている」

--敵基地攻撃能力の保有に公明党は否定的だ。防衛費の「GDP(国内総生産)比2%以上」も疑問視している。どう理解を進めるか。いつまでに取り組むか。

「まず大事なことは、国民の命や暮らしを守るために必要なものは何なのか。こうした現実的な議論をしっかり突き詰めていくことだと思っている。ミサイル防衛を考えても、超音速滑空兵器や変則軌道で飛来するミサイル。ミサイルに関する技術も急速なスピードで変化し、進化している。その中にあって、国民の命や暮らしを守るために、あと何が求められるか。その際に、あらゆる選択肢を排除せず、現実的にしっかり考えなければいけない。このように思う」

「また、それ以外にも島嶼(とうしょ)防衛や宇宙・サイバーといった新しい課題が大きな議論になり、そして現実、動いている。その中にあって、国民の命や暮らしを守るために何が求められているのか。これを冷静に現実的にしっかり考えていく。こういった議論を進める中で、国民の皆さん、そして与党、公明党の皆さんにもしっかりと理解をいただき、その結果が予算の額になるんだと思っている。まずは現実をしっかり見つめ、変化の中で何よりも政治にとって大切な国民の命や暮らしを守るために何が必要なのか。こういった議論をしっかり突き詰めることによって、国民や公明党の皆さんの理解を得て、具体的な予算をはじめとする結果につなげていきたいと思っている」

「タイムスケジュール等にも質問があった。これは今、言ったような議論を丁寧に進める中で理解をいただいた部分から、順次、予算等に組み入れられるものは組み入れていくということで、議論の結果を形にしていくという姿勢で臨んでいきたいと思っている」

--観光支援策「Go To トラベル」の再開や外国人観光客の入国制限の緩和などはどう考えるか

「Go To トラベルについては、まずワクチンや検査も活用して、より安心・安全な形の仕組みをしっかり考えていただければいけない。新たな、安心な制度を作っていくことが大事であると思っている。ぜひ、そうした仕組みを抜本的に見直した上で、準備を進めた上で、時期については専門家の皆さんの意見も聞きながら、感染状況をしっかり見極めて、(再開)時期を決めていきたい。このように思っている」

「まずはGo To トラベル。昨年の経験を踏まえて、より安心・安全なもの。さらには制度として中小零細の業者に裨益(ひえき)する制度を考えるべきではないか。さらには平日をより活用する制度にすべきではないか。いろんな議論もある。その辺も含めてしっかりと制度設計、制度を準備した上で、タイミングについてはしっかり考えていきたい」

「観光客の入国・水際対策についてだが、まず年内に団体観光の行政管理、行動管理の実行性能について検証を今、行おうとしている。こういった実証実験を行った上で検討を進めていきたいと思う。年内においては、ぜひ観光目的の入国について実証実験、検証を行いながら、タイミングを図っていく。こういった姿勢で臨んでいきたいと思っている。感染状況、今、収まっているが、決して楽観視してはならない。慎重に状況を見ながら今言った準備をしつつ、タイミングを図っていきたいと思っている」

=(5)に続く