ニカラグア 独裁色強めるオルテガ大統領が5度目の当選

ニカラグアの首都マナグアでのイベントに出席したオルテガ大統領(中央)=10月(ロイター=共同)
ニカラグアの首都マナグアでのイベントに出席したオルテガ大統領(中央)=10月(ロイター=共同)

【ニューヨーク=平田雄介】中米ニカラグアで7日実施された大統領選で反米左派のダニエル・オルテガ大統領(75)が5度目の当選を果たした。選挙管理当局が8日発表した。治安当局は有力な対抗馬7人を事前に拘束し立候補を阻止。2014年には憲法の再選禁止規定を撤廃しており、オルテガ政権の独裁色は強まるばかりだ。

オルテガ氏は左翼ゲリラ出身で、ゲリラ残党の与党「サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)」を率いる。再選禁止規定の撤廃は同国初の民主的な選挙とされる1990年大統領選に敗れたのを〝教訓〟にしたとされ、2018年には反政府デモを武力で鎮圧し300人超の死者を出した。

今年は5月ごろから治安当局がオルテガ氏の政敵を相次いで拘束。政権に異議を唱える市民も国家反逆罪などで次々に逮捕された。

現地からの報道によると、首都マナグアにはオルテガ氏と妻のムリジョ副大統領の巨大な絵などが各所に掲示され、政府庁舎にFSLNの党旗が国旗とともに掲揚されている。

選挙管理当局はオルテガ氏の得票率を76%、投票率を65%と発表。地元メディアや市民団体の一部に結果を疑う声もあるが、オルテガ氏は「彼らは選挙管理当局のトップになりたいようだが、そんなことは起きない」と一蹴した。

「警察力を悪用した独裁国家」(米人権活動家)とされるニカラグアから逃げ出す人は18年以降急増し、隣国コスタリカには現在8万人超が滞在。米南西部の国境を超えて拘束されるニカラグア人は今年史上最多のペースとされ、強権政治の影響が近隣国に及んでいる。

大統領選について、ブリンケン米国務長官は8日、「オルテガ政権はニカラグア人から選択肢を奪った」と批判し、「パートナーと連携し、制裁やビザの制限を続ける」と表明した。欧州連合(EU)は声明で「野党候補や幹部、記者らを組織的に投獄した」などと非難した。

これに対し、ロシアやキューバ、ベネズエラはオルテガ氏を擁護しているとロイター通信は伝えた。選挙結果を認めないよう求める米国の呼びかけを、ラブロフ露外相は「受け入れられない」と拒絶した。