石炭の「段階的廃止」を COP26文書草案

ジョンソン英首相(AP)
ジョンソン英首相(AP)

【グラスゴー(英北部)=板東和正】国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の事務局は10日、会議で採択を目指す成果文書の草案を公表した。草案は、世界の気温上昇を産業革命前から1・5度に抑えるために「努力を追求する」と明記。二酸化炭素(CO2)の排出量が多い石炭の「段階的な廃止」などを求めた。前回のCOP25の成果文書では、石炭の段階的廃止までには踏み込んでおらず、合意の可否が注目される。

草案は、COP26の議長国・英国が各国の意見を聞いて作成した。今後、約200の国・地域が草案について会期末の12日まで議論し、成果文書の採択を目指す。「1・5度目標」に後ろ向きな産油国や、石炭火力発電に依存する日本や中国などが草案に合意するかどうかは不透明だ。

草案は、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」が掲げる1・5度の努力目標を達成するため、「30年までに世界の二酸化炭素排出量を10年比で45%削減し、今世紀半ば頃にゼロにする」必要性を明記。30年の削減目標を22年末までに再検討し、強化するよう各国に求めた。化石燃料に対する補助金の段階的廃止を加速することも要求した。

草案はまた、先進国が途上国などの気候変動対策に年間1千億ドル(約11兆円)を支出するとの20年までの目標が達成されていないことを受け、目標額を超えて支援を拡大する必要性を示している。

COP26では、脱石炭や電気自動車(EV)化などで各国の溝が生じている。

英国は10日、全世界の新車販売について、40年までに走行時に二酸化炭素を排出しないEVなどの「ゼロエミッション車」に切り替えるとの宣言を発表。20カ国以上が賛同したが、日本や米国、中国、ドイツは加わっていない。

日米や中国、豪州、インドなどは、英国が4日に発表した石炭火力発電の段階的廃止を目指す声明にも加わらなかった。

環境省は10日、山口壮環境相がCOP26に出席するため、11~15日の日程で英グラスゴーに出張すると発表した。