首相会見詳報

(5)「大学生らにもう1回10万円給付する」

会見に臨む岸田文雄首相=10日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
会見に臨む岸田文雄首相=10日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

=(4)から続く

--人権問題担当の首相補佐官を新設した。人権侵害は中国だけでなく世界的な課題だ。日本でも名古屋出入国在留管理局に収容中だったスリランカ人が死亡した。こうした問題にどう対応するか

「具体的な案件に対する対応は、就任した中谷元・首相補佐官にしっかりとこれから検討し、調整してもらわなければならないと思っている。基本的にわが国において、外交のみならずさまざまな課題において普遍的な価値、自由や民主主義とともに、こうした人権。こういったものをしっかり順守しながら取り組みを進めていく。こうした基本的な方針は大変重要だと思っている」

「そしてその際、ご指摘のように、人権の課題は外務省や一定の役所だけではなく、法務省をはじめさまざまな役所にまたがる課題だ。そういった幅広い課題について、人権担当の補佐官には、しっかりと各省庁とも連携しながら全体を見つつ、あるべき政府の方針について考えてもらう。それを補佐してもらう。こうしたことを期待しているところだ」

--18歳以下への給付金に全面的に賛同する意見は、ネットをはじめあまり見受けられない。首相から、国民に納得の得られる給付のあり方を提示する考えはないか

「おっしゃるように国民の皆さんに納得していただくことは大事だと思う。今回の自民、公明両党での合意、取り組みについても丁寧に説明をし納得していただく努力は大事だと思っている。今回の給付、経済対策において、私自身は総選挙のみならず(自民党)総裁選の時点から非正規、女性あるいは子育て世帯、学生、コロナによって困っておられる皆さまへの給付をお届けすると申し上げ続けてきた」

「そういった観点から、今回の経済対策の中に非正規など経済的にお困りの方に対し、1世帯当たり10万円の現金給付を行った。ご指摘の18歳以下の子供に対する給付だが、18歳以下を対象とする。これはすなわち、子育て世代に対する支援につながるというものでもあると思っている。さらには、なんで18歳までなのかという声もあるやに聞いているが、支援策の中に、大学生あるいは専門学校生、こういった方々にも10万円の給付を行う。これは昨年1回やったわけだが、これをもう1回、この大学生や専門学生の方にも給付する。これも経済対策の中に盛り込んでいる」

「こういった形で、より困った方に焦点を当てながらも、18歳以上の方々に対する支援も全体の中に盛り込んでいる。この全体像をぜひ、しっかり丁寧に説明することによって、国民の皆さんに納得していただくよう努力を続けていかなければならない。このように思っている」

--首相は総裁選に出馬するとき「民主主義の危機。国民の信頼が壊れている」と発言した。現在、危機は脱したと考えるか。「モリカケ桜」といわれる安倍晋三、菅義偉両政権の負の遺産について、今でお再調査などに否定的か

「私は引き続き民主主義の危機の中にあると思っている。民主主義の危機にあると申し上げたのは、コロナ禍の中で、国民の皆さんの心と政治の思いがどうも乖離(かいり)してしまっているのではないか。こういった声を多く聞いたということを挙げて、民主主義の危機ということを申し上げた。国民の皆さんの思いが政治に届いていないのではないか。政治の説明が国民の皆さんの心に響かない。こういった状況をもって民主主義の危機だということを申し上げた。自民党が国民政党として国民の声をしっかり受け止められる政党であることをしっかり示さなければならない。こういったことも危機を前にして申し上げた。こういったことだ」

「よって、先程も申し上げたし、今までも何度も申し上げているように、国民の皆さんとの対話。意思疎通。丁寧で寛容な政治。こういった姿勢をこれからも取り続けることが国民の皆さんと政治の距離を縮める大変重要なポイントであると思い、これからも努力を続けていきたいと思う」

「自民党の党改革についても冒頭申し上げた。自民党が若手をしっかり登用できる。多様性をしっかり受け入れることができる、国民との対話ができる政党であることを示すために、党改革を進めるということも冒頭申し上げた。引き続き危機を感じているからこそ、こうした努力を続けていかなければいけない、このように思う」

「そして、モリカケ桜問題だが、これも従来申し上げているように、行政であったり会計検査院であったり、あるいは検察であったり、さまざまな機関で調査が行われ、報告書が出されている。そういったものをしっかりと見ていただいた上で、なおかつ足りない部分があれば、政治として説明をさせていただく。こういった姿勢をこれからも大事にしていきたいと思っている」

=(6)に続く