会社辞め「オリに人生を」 応援ユーチューバー話題

ユーチューバーのB-モレルさん=4日、大阪市西区の京セラドーム大阪(桑村大撮影)
ユーチューバーのB-モレルさん=4日、大阪市西区の京セラドーム大阪(桑村大撮影)

大手建設会社で働くより、愛するオリックスの応援に全力を―。プロ野球パ・リーグで25年ぶりに優勝し、10日開幕するクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージに臨むオリックス・バファローズを「全力絶叫」で応援するユーチューバー、「B-モレル」さん(25)が話題だ。感情豊かな動画が好評で、チャンネル登録者数は7万人超。「応援に人生をかける」と今夏、勤めていた会社を辞めた。「ここまで来たら日本一を」と熱いエールを送る。

「優勝やぁ…優勝や!」

10月27日夜。オリックスの優勝が決まった瞬間、B-モレルさんは両手を大きくたたき、天を仰ぎながら声を振り絞った。そして始まった〝一人ビールかけ〟。選手らと一緒にいる想定で、風呂場で激しくビールを浴びた。

オリックスの優勝を受け、風呂場で一人ビールかけをするB-モレルさん(ユーチューブから)
オリックスの優勝を受け、風呂場で一人ビールかけをするB-モレルさん(ユーチューブから)

この日の生配信には、普段の10倍近い1万人以上の視聴者が集まった。「モレルさんもおめでとう」。数えきれない数のコメントが寄せられ、一緒に感動を分かち合っていた。

オリックスが球団として初の日本一に輝いた平成8年に生まれ、小学4年からオリックスに声援を送る。阪神ファンを〝兼任〟した時期もあったが、「選手との距離の近さや応援歌にひかれ、オリックスの応援の方が楽しくなった」と話す。

「まさたか!まさたか!」。大学生だった平成30年4月、吉田正尚(まさたか)外野手(28)の応援歌を球場で熱唱する動画が話題を呼び、本格的にユーチューバーの道に。活動名の「B-モレル」は球団に一時在籍した外国人選手から取った。

投稿する動画は、オリックスの試合を観戦する様子を映した生配信が中心だ。Tシャツを脱ぎ、上半身裸で歓喜の声を上げたり、涙を浮かべてしみじみと語ったり。チャンネル登録者は7万人を超え、人気ユーチューバーになった。

「いつも動画を見ています」「私もオリックスファンになりました」。最近は、こうした視聴者の声が原動力。新人王有力候補の宮城大弥(ひろや)投手(20)ら一部現役選手も、SNS(会員制交流サイト)でB-モレルさんの存在に言及するほどだ。

今春、大学院を修了して大手建設会社に就職し、上京した。サラリーマン生活の傍ら、動画配信も継続していた今夏、オリックスが躍進した。会社か、オリックスか。活動開始以来、初めて見えたリーグ優勝の目に、心が揺れた。

「忙しい仕事で(応援が)中途半端になるくらいなら」-。反対する両親をなんとか説得し、会社を退職。今季は大阪に戻り、オリックスの応援に専念することにした。

だが「安定志向ですし、めちゃくちゃ葛藤はありました」と、決断は苦悩の末だった。「ただ、人生は一度きり。会社かオリックスのどちらに人生をささげるかといわれたら、オリックスだと思った」と明かす。

それでも9月半ば、オリックスが一時失速した際は「選択を間違えたかな…」と不安に駆られた。それでも愚直に動画配信を続ける中、チームも復調。25年ぶりの優勝を見届けると、「もう後悔はない」と涙した。

今夜、平成8年以来の日本一に向けた戦いが本拠地の京セラドーム大阪(大阪市)で始まる。「肝心な場面で勝てないのがこれまでのオリックスだった。今年は〝てっぺん〟までいって、『これまでと違うぞ』と示してほしい」。現地観戦や動画配信で見守るつもりだ。(桑村大)

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