【パリ=三井美奈】漫画家や歌手として活躍するアーティスト、さかもと未明さん(56)が9~23日、パリで個展を開催している。さかもとさんは今年、フランス画壇の登竜門「サロン・ドートンヌ」(秋季展)で初入選しており、個展は画家としてのパリでのお披露目の場となった。
個展は「日本人が夢見たパリ」と題し、ノートルダム寺院やモンマルトルの丘を描いた油彩画など十数点を展示している。会場は、ソルボンヌ大に近い画廊。初日の9日には、パリのシャンソン酒場「オ・ラパン・アジル」の歌手、イブ・マチューさんら日仏の音楽家が会場に駆け付け、ミニ演奏会が開かれた。
さかもとさんは平成18年、膠原(こうげん)病に罹患(りかん)。一時は活動休止を迫られた。個展開催にあたって、「いつ死ぬか分からないと思った後、『世界のいろんな人の心に届くようなものを描きたい』と思い、再び描き始めた。日本人の視点で描いたフランスを、パリの人たちに感じてほしい」と思いを語った。