「覚悟感じられない」大阪市長、特別自治市の提言案に苦言

記者団の取材に応じる大阪市の松井一郎市長=10日午後、市役所
記者団の取材に応じる大阪市の松井一郎市長=10日午後、市役所

全国20の政令指定都市でつくる指定都市市長会(会長=鈴木康友・浜松市長)は10日、オンラインの臨時会議を開き、政令市を道府県から独立させる「特別自治市」の法制化に向け、議論を加速するよう国に求める提言案を示した。「道府県からの独立」への言及がないことに大阪市の松井一郎市長が「覚悟が感じられない。今の形なら賛同しかねる」と主張。提言案の取りまとめは見送られた。

特別自治市は、指定都市市長会が平成22年に提唱した大都市制度構想。大阪市などを除く16市が参加する「多様な大都市制度実現プロジェクト」が提言案をまとめ、「(道府県と政令市の)二重行政の解消による市民サービスの向上、東京一極集中の是正などを強化し、持続可能な地域社会の実現を図る」と明記した。

松井氏は会議で、プロジェクトリーダーの久元喜造・神戸市長に「地域の実情に合った多様な大都市制度を否定はしないが、神戸市は兵庫県から独立する考え方か」と質問。久元氏は法制化された時点で判断するとして「(現時点で)考えていない」と否定した。

松井氏は、政令市を廃止する「大阪都構想」を実現すべく法整備に尽力したとして「法律ができてから考えたらいいというなら、自信を持って要請する形になっていない」とさらに追及した。これに対し、久元氏も「特別自治市には法制度が必要。現時点で『独立する』と言わないと、自信を持った提言にならないというのは違う」と反論した。

最終的に、提言案は20市長の意向を確認してから対応を決めることとした。

松井氏は会議後、特別自治市に反対ではないと断った上で、記者団に「都構想は命がけでやった。自治制度を変えるのは、それぐらいの覚悟がいる。(特別自治市を)提案する人が目指すか目指さないか分かりません、では国会を動かせない」と苦言を呈した。