地震、事故…「もしも」に備え関空で訓練

航空機事故を想定した救助訓練。滑走路上で初めて行われた
航空機事故を想定した救助訓練。滑走路上で初めて行われた

関西国際空港(大阪府)で、「もしも」に備えた対策を強化する訓練が相次いで行われた。ひとつは南海トラフ巨大地震を想定し、ターミナルに取り残された滞留者の情報をデジタル化して一元管理する取り組みを検証。さらに、平成6年の開港以来初めて、航空機事故対応訓練を滑走路上で実施し、緊迫感に包まれた。

南海トラフ巨大地震発生から81分後に高さ2・6メートルの津波が到達すると想定した地震・津波対策訓練は5日にあり、関西エアポートなど空港内の147機関から約200人が参加。

警報を受けて4カ所の避難場所に誘導された後、滞留者はQRコードをスマートフォンで読み取り、ダウンロードした画面で年齢や国籍、障害・病気の有無、妊娠中などの項目を入力。情報はデジタル化され、空港スタッフが滞留者への支援に活用することを前提に検証が行われた。

 スマートフォンでQRコードを読み取る訓練参加者
スマートフォンでQRコードを読み取る訓練参加者

現状は情報を紙の「滞留者カード」に記入してもらう方式だが、デジタル化でカード配布やデータ入力の時間と人員を大幅に削減できるという。NTT西日本と関西エアが共同開発し、来年6月からの実用化を目指している。関西エアの福永圭吾関西空港運用部長は「(検証結果を分析し)新型コロナウイルスの感染が収束して利用客が回復したとき、万全の備えでお迎えしたい」と話した。

滑走路で初めて実施

一方、9日には貨物機が着陸に失敗して炎上し、乗員に負傷者が発生したと想定した訓練を滑走路上で展開。消防車約15台がサイレンを鳴らして駆け付け、貨物機に見立てた車両に放水を開始した。約20分後に鎮圧を確認した後、負傷者を救出して担架に乗せ、救護テントまで搬送した。

新型コロナ感染拡大の影響で便数が減ったことから、滑走路を訓練に使うことができた。関西エアポートオペレーションサービスの山野晃一関空消防担当部長は「ホースの延長がうまくいかないなどの課題もあった」などと改善点を振り返っていた。