【北京=三塚聖平】中国自動車工業協会が10日発表した10月の新車販売台数は、前年同月比9・4%減の233万3千台だった。世界的な半導体不足や、中国各地で新型コロナウイルスの散発的な感染拡大を受け、前年実績を6カ月連続で下回った。
下落率は前月(19・6%)から半減。同協会は、半導体供給が9月よりは多少改善されたと指摘する一方、「まだ需要を完全には満たすことはできていない」との見方を示した。
内訳では、乗用車が5・0%減の200万7千台。商用車は29・7%減と大幅な減少が続く。中国政府が普及に力を入れる電気自動車(EV)などの新エネルギー車は2・3倍の38万3千台だった。
アジアでの感染拡大の影響を受け、中国の自動車産業は部品の調達難に見舞われている。国内で電力不足による供給制限が起きたことも悪化要因となった。
日系大手4社の中国市場における新車販売台数は、半導体不足の直撃を受けて軒並み前年同月比で10~20%台のマイナス。トヨタ自動車が19・2%減、ホンダが17・9%減、日産自動車が22・0%減、マツダが22・3%減だった。好調が続いてきた日系メーカーの中国販売にもブレーキがかかっている。