福岡県とANAが協定 宇宙産業育成など目指す

包括連携協定に調印した福岡県の服部誠太郎知事(左から3人目)とANAホールディングスの片野坂真哉社長(右から3人目)=10日、福岡県庁
包括連携協定に調印した福岡県の服部誠太郎知事(左から3人目)とANAホールディングスの片野坂真哉社長(右から3人目)=10日、福岡県庁

福岡県とANAホールディングス(HD)は10日、地域活性化などを目指し、相互に協力する包括提携協定を締結した。ANAが同種の協定を都道府県と結ぶのは9例目。他の協定でも盛り込まれている観光振興などに加え、県が注力する宇宙産業育成や、人獣共通感染症対策に取り組む「ワンヘルスの推進」への関与をうたった。

この日は、ANAHDの片野坂真哉社長が県庁を訪問。締結式では、服部誠太郎知事は「多様な主体が手を取り合って共助社会を築くことが重要だ。連携、協力を強めていきたい」と述べ、片野坂氏も「私どもの力が、少しでも福岡県の未来の発展に貢献できればと願っている」と応じた。

協定に盛り込まれた宇宙産業の育成は、福岡県だけでなく、政府も注力する分野の1つだ。政府は現在の約1・2兆円の国内市場規模を2030年代前半には倍増することを目指しており「宇宙ビジネス創出推進自治体」を選定するなど、てこ入れを進めている。

8日には、服部氏や大分県の広瀬勝貞知事ら宇宙産業の育成に取り組む自治体のトップが首相官邸を訪ね、岸田文雄首相に関連法の整備など、振興への協力を求める要望書を提出している。

今回の協定では、福岡県とANAが情報交換を進めるほか、九州大学発の衛星開発ベンチャー「QPS研究所」をはじめとした同県内の関連企業や研究機関とのビジネスマッチングを検討することなどを盛り込んだ。

服部氏は「(県内企業が)衛星で収集したデータをANAで利用していただければ、今後の資金調達にも役立つ。大分空港(大分県国東市)を活用した小型衛星の打ち上げにも、ANAの技術が必要になるだろう」と述べ、提携の効果に期待を寄せた。