大事な初戦で初の完封劇 ヤクルト奥川「借り返せた」

【プロ野球CS2ヤクルト対巨人】完封勝利の奥川恭伸をねぎらう高津臣吾監督=神宮球場(撮影・今野顕)
【プロ野球CS2ヤクルト対巨人】完封勝利の奥川恭伸をねぎらう高津臣吾監督=神宮球場(撮影・今野顕)

プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は10日、セ、パ両リーグのファイナルステージが開幕し、セはリーグ王者のヤクルトが3位から勝ち上がった巨人を4―0で破った。圧巻の投球を見せた2年目右腕がヤクルトにほしかった初戦勝利をもたらした。奥川は6安打、無四球でプロ初の完封勝利をわずか98球で達成。巨人の最終打者ウィーラーを中飛に打ち取り、仲間に頭を叩かれ祝福された20歳は「ほっとした」。これ以上ない結果に笑顔を弾けさせた。

先陣を託された緊張をはねのけた。「試合前のミーティングで、受け身じゃなく攻めていこう、といわれた。その気持ちで投げられた」。五回2死一、三塁のピンチでは、フルカウントまで粘る八百板に対し、最後は外角低めに142キロの直球で見逃し三振。「いつもより気持ちが入った」と、グラブをたたいてほえた。伸びのある直球を軸に変化球を効果的に織り交ぜ、試合のリズムを渡さなかった。

ちょうど1年前の11月10日、同じ神宮での1軍デビュー戦は広島相手に三回途中5失点とKOされた。今季は先発の一角としてチームトップタイの9勝。「1年間投げ切ってほしい」という高津監督の期待をはるかに上回る長足の進歩だ。1年前の悔しさを晴らし、成長を実証する完封劇に「借りを返せたかなと思う」と胸を張った。

ヤクルトは2015年にリーグ制覇した際、CSファイナルステージで巨人を下して日本シリーズに進出した。再現を果たし、「日本一を取れるように頑張りたい」。宮城(オリックス)や佐々木朗(ロッテ)という高卒同期との投げ合いに、夢は膨らむ。(五十嵐一)