7月の東京都議選期間中に無免許運転で人身事故を起こし、再選後に都議会への長期欠席を続けていた木下富美子都議。9日午後、都議会公営企業委員会に出席するため4カ月ぶりに報道陣の前に姿を見せ、取材に応じた。一問一答は次の通り。
--議会では議員辞職勧告が決議されている。進退については
「まずその前に、私の行動で多くの人に迷惑をかけ、被害に遭われた方へのお見舞いとおわびの気持ちを表したい。事故を起こしたのは、あってはならないことと反省している。二度と繰り返さないよう免許の再取得はせず、車などの運転はしない。事故当時の車も処分した。このたびは本当に申し訳ありませんでした」
「多くの方からご意見、お叱り、ご批判を頂いた。議員辞職を求める声も承知している。都議会で2度の辞職勧告決議案が出されたことも重く受け止めている」
「1期目の4年間は私にとって貴重な4年間だった。特に弱い立場の人に耳を傾けて、多くの課題解決につながるよう努力した。女性の問題を含めて、新型コロナウイルス禍でさらに強い声を頂き、解決することの大切さを身をもって感じてまいった」
「2千件ほどの声に応えてきた4年間だった。厳しい声の一方、ぜひ続けてほしい、力を貸してほしいという声があるのも事実。償うべき罪は償う。これを行った上で、失われた信頼回復は厳しい道のりであると覚悟しているが、これからの議員活動の中で答えを導き出せればと考えている」
「この間、3カ月間議会に来られなかった心身の不調だが、事故の前、選挙運動の期間から不眠・ストレスなどがあって、体調が悪かった。事故を受けさらに状況が厳しくなり、よく寝られない日々が続いたり、食べ物が口を通らない日もあったり、手が付かないようなイライラ・不安にさいなまれ、寝ずに頑張ると高揚してしまってハイテンションになるような、尋常でない状況が続いたので、医療機関に受診して薬を処方していただいている。このような状況で議会を休んだこと、議長・副議長はじめ、議会関係者の皆さまに負担をかけたことについても改めておわび申しあげます」
「休んでいた間の議員報酬は、私に支給されている3回の合計192万円弱になると思う。すでに表明した通り、受け取るべきでないと考え、都への返納も公選法上できないので、NPO法人などの団体に選挙管理委員会の指導を受けながら、公選法に抵触しない寄付先を選定しすでに寄付を行った。政務活動費は月々50万円が会派に支給されているが、議員から請求しない限り都に返納される仕組みなので、3カ月間の総額150万円について私からは請求しない」
「最後に、被害に遭われた方に改めておわび申し上げたい。10月半ばに示談を受けていただいたことは感謝したい。現在も捜査が続けられている案件で、事故・事件に関しては整理された段階で弁護士とも相談して説明を行っていきたい。最後に、改めてこのたびの件で多くの皆さまに大変なご迷惑をおかけし、あってはならない事故を起こしたことを心より反省するとともにおわび申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」
--なぜ無免所で運転をしたのか
「捜査、聴取を受けている内容なので、現時点では申し上げられない」
--無免許運転していた自覚はあったのか
「申し訳ございません。現在そこについてもお話はできない」
--議員を続けるということだが、批判の声がある。辞職勧告も2度決議されている
「議長・副議長からもお話し頂いた。2度の辞職勧告決議が出ていること。これは議会の意思、議会を構成する議員を選んだ有権者の意思ということは重く受け止めている」