元看護師、反省も「真相」は語らず 点滴連続中毒死公判

久保木愛弓被告
久保木愛弓被告

横浜市の旧大口病院で、入院患者の男女3人が殺害された平成28年の事件をめぐる公判。「死んで償いたい」。最終意見陳述で、遺族に対しこう述べていた久保木愛弓(あゆみ)被告は、判決を言い渡される9日、上下グレーのスーツ姿で入廷。身じろぎすることなく判決理由に聞き入った。無期懲役が言い渡されると、一瞬だけ遺族が座る方向に目をやり、裁判長から内容を理解できたか問われると「はい」と、か細い声で答えた。

公判で久保木被告は、看護師として勤務する中で悩みを抱え、多量の睡眠薬を服用するなどしたことを明かした。「自分の勤務時間外に患者が亡くなってほしい」との身勝手な動機で犯行を重ね、当初は「後悔はなく、ほっとした気持ちが大きかった」と、素直な心情を吐露した。

「看護師を辞めるべきだった」などと、犯行を悔いる発言もあり、「勝手な理由で大切な命を奪ってしまい、本当に申し訳ありません」と、遺族への謝罪も口にした。

一方、久保木被告は逮捕後の取り調べで、約20人の入院患者の点滴に消毒液を混入したことを認めたとされる。ただ公判では、起訴された3人に対する殺人罪は認めたものの、他の患者については「お話ししたくありません」と回答を拒否。一連の事件の「真相」は、最後まで明らかになることはなかった。

■元看護師に無期懲役判決 点滴連続中毒死で横浜地裁