川勝氏「誤解の責任」も謝罪はせず 「御殿場コシヒカリ」発言で会見

自身の発言をめぐり臨時の記者会見を開いた川勝平太静岡県知事=9日、県庁
自身の発言をめぐり臨時の記者会見を開いた川勝平太静岡県知事=9日、県庁

10月の参院静岡選挙区補欠選挙の応援演説で述べた「御殿場にはコシヒカリしかない」などの発言をめぐって静岡県の川勝平太知事は9日、県庁で記者会見を開いた。「誤解を生んだ責任がある」としつつも、「市民に向けたものではなく、自民党候補に対してのもの。候補者を比較してもらうため、相手の発言を逆手に取った、選挙中の論戦であることを踏まえてご理解たまわりたい」と主張し、謝罪はしなかった。

発言は選挙戦最終日の10月23日、元御殿場市長で自民公認の若林洋平氏らと争っていた野党系候補、山崎真之輔氏の地元の浜松市での応援演説で出た。県庁に数百件の抗議や苦情が寄せられているほか、県議会側も「問題発言」との認識を示している。

川勝氏は会見で、「御殿場に対し揶揄(やゆ)したというのは違う。市民を傷つける意図はない」と釈明。背景について、若林氏が「ご飯があれば何もいらないと繰り返し言っていた」として、「御殿場にはコシヒカリしかないようなイメージを広めた。県内には数百の農産物がある。発言には農業観が表れており、(県内)35市町の代表に到底ふさわしくないという趣旨で、発言を逆手にとった」などと説明した。

同じ演説では、御殿場市を「人口8万強しかないところ」で若林氏を「その市長をやっていた人物」とし、浜松市を「80万都市で遠州の中心」と持ち上げた上で同市出身の山崎氏と「どちらを選びますか」とも発言。「あちら(御殿場)は観光しかない、それしか知らない。そんな人間が静岡全体の参院議員になってどうするんですか」とも述べていた。

会見では「自身で選ぶことができない出身地で評価するのか」などの質問があり、川勝氏は「とんでもない」と否定した上で「候補者を比較してもらうための演説」と正当化に努めた。さらに報道陣から「(若林氏は)自身の好きな食べ物として話していただけではなかったか」との指摘も出たが、直接答えることはなかった。

川勝氏は、改めて今回の発言を聴き直したことは「ない」とし、過去の自身の舌禍問題を教訓にしていないようにも受け取れる姿勢を示した。

記者会見を開いた経緯については、自身に近い県議会第2会派の「ふじのくに県民クラブ」から「説明するのがよいとアドバイスを受けたため」と述べ、自身からの考えではなかったことを示した。同派は山崎氏が県議時代に所属していた。

一方、当選した山崎氏が結婚後の女性問題を報道されたことを問われると「誠に残念至極。もう応援することはない」と断じ、参院補選時の蜜月ぶりがうそのようなつれない姿勢を示した。