産経抄

11月9日

今年3月の小紙に、福島県立医科大学教授の坪倉正治さんを紹介する記事が載っていた。坪倉さんは東日本大震災の発生から1カ月後に福島県沿岸部の被災地に入り診療活動を始めた。現場で向き合ったのは、東京電力福島第1原発事故による被曝(ひばく)を恐れ、不安から体調を崩す人たちである。

▼坪倉さんたちは現地の総合病院に放射性セシウムの測定装置を導入して、住民に対する大規模な検査を実施した。すると子供では事故の翌年、大人でも2年後にはほとんど検出されなくなった。住民の健康を守る上で、データがいかに大切な存在か強調していた。

▼その坪倉さんが先週末、日本テレビ系の報道番組「ウェークアップ」に出演していた。現在は新型コロナウイルスワクチンの2回接種を終えた人の抗体検査に取り組んでいるという。相馬市と周辺自治体の住民約2500人の協力を得て継続的に血液検査を行ってきた。結果をみると、感染を防ぐ能力を示す中和活性が日数の経過とともに減少していた。免疫の低下は明らかである。

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