関電前会長ら不起訴、金品受領問題で大阪地検特捜部

関西電力本店=大阪市北区
関西電力本店=大阪市北区

関西電力の旧経営陣が原発立地自治体の元助役から金品を受領したほか、東日本大震災後の赤字で削減した役員報酬を退任後に補塡(ほてん)していた問題で、大阪地検特捜部は9日、会社法違反(特別背任、収賄)などの罪で捜査していた八木誠前会長(72)ら旧経営陣9人を、いずれも不起訴とした。

特捜部は、金品受領問題については、元助役がすでに死亡しており、多くの証拠が失われていることなどから、刑事責任を問うことは困難と今年春ごろに判断していた。ただ、役員報酬の削減分が退任後に「嘱託報酬」などの形で支払われたとされる問題では、嘱託報酬額が、実際の業務と比較して高額過ぎるとの疑いが残ったため、特別背任容疑での立件の可否を慎重に検討した。それでも旧経営陣はこれまでの任意での調べに対し、「正当な報酬だった」と主張。特捜部も捜査は尽くしたものの、違法と断定して起訴するのは困難と判断した。

特捜部は昨年10月、市民団体が提出した告発状を受理し、任意で事情を聴くなどして捜査を進めた。

告発状などによると、旧経営陣は福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から多額の金品を受領。森山氏側の業者に原発関連工事で便宜を図ったほか、震災後の赤字で削減された18人分の役員報酬について、削減分の計2億5900万円を退任後の嘱託報酬に加算し補塡したとされる。