COP26、閣僚級会合開始 交渉山場に

【グラスゴー(英北部)=板東和正】国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の閣僚級会合が9日、英北部グラスゴーで開催。温室効果ガス削減目標の一層の引き上げを各国に求める成果文書採択を目指し協議する。産油国などが削減目標の議論に消極的と指摘される中、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」の目標達成に向け、連携が問われそうだ。

8日までに公表された成果文書の骨子案には、パリ協定が掲げる「世界の気温上昇を産業革命前から1・5度に抑える」との努力目標の重要性を強調する内容が盛り込まれた。各国はこの骨子案をたたき台に、閣僚級会合で成果文書の詳細な内容を詰める。

議長国の英国は、パリ協定が掲げる「世界の気温上昇を産業革命前から1・5度に抑える」との努力目標を実現するため、削減目標の引き上げを各国に迫る文言を成果文書に盛り込む方針という。

国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は4日、COP26の首脳級会合で参加国が温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を相次ぎ表明したことなどを受け、「(各国の目標が達成できれば)今世紀末の気温上昇幅は1・8度に抑えられる」と表明した。ただ、1・5度目標には「さらなる取り組みが必要だ」とも述べ、各国の削減目標の引き上げが急務となっている。

引き上げをめぐっては国によって主張が異なり、最終的な合意まで曲折が予想される。

環境保護団体グリーンピースは7日に発表した声明で、中東の有力産油国サウジアラビアの交渉担当者が成果文書に1・5度目標を盛り込むことを阻止しようとしていると非難した。英メディアによると、最大の排出国である中国も引き上げに難色を示すことが予想されるという。

COP26では、途上国が資金不足で踏み込んだ削減計画を示せないことも問題になっている。パリ協定の下、先進国が途上国などの気候変動対策に年間1千億ドル(約11兆4千億円)を支出する2020年までの目標が達成されていないことが背景にある。

途上国は目標額の早期達成や、現在の額を上回る新たな目標設定を求めている。アフリカのギニアの代表者は8日、「先進国が資金問題の議論に消極的であることに失望している」と強調。資金提供がなければ削減目標を更新できないと不満を示した。

閣僚級会合では、パリ協定の実施ルールのうち、まだ合意に至っていない削減量の国際取引を認める「市場メカニズム」をめぐる交渉で一致点を見いだせるかも注目されている。

市場メカニズムは、先進国が技術支援などを通して途上国の温室効果ガスの排出量を減らした場合、その削減量を先進国の削減分として計上できる仕組み。途上国の温暖化対策を促進する狙いがあるが、運用ルールが定まっていない。これまでのCOPでも議論を尽くしてきたが、ルール作りで主張がかみ合わず合意できていない。