石川梵監督「くじらびと」が最優秀ドキュメンタリー賞  グアム国際映画祭

銛を手にクジラに挑むラマファ(石川梵撮影)
銛を手にクジラに挑むラマファ(石川梵撮影)

写真家の石川梵(いしかわ・ぼん)さんが監督したドキュメンタリー映画「くじらびと」(英題Lamafa)が、5日から始まったグアム国際映画祭(GIFF)で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞したことがわかった。石川監督に映画祭の関係者から知らせが入った。

同映画祭は、西太平洋地域で唯一、2011年から毎年開催される米国の映画祭。主に米国、アジア、西太平洋諸国から多くの映画が出品され、国際的な評価も高い。昨年はコロナ禍で中止となったが、今年はオンラインで開催した。

インドネシアの捕鯨に密着

「くじらびと」は、インドネシアのラマレラという村のクジラ漁と、それを中心にした村人たちの生活を2017~19年に幾度も足を運んで撮影したもの。漁師たちと一緒に小さな漁船に乗りこみ、人とくじらの息詰まる攻防を至近距離から捉えた。

ドキュメンタリー映画「くじらびと」の監督をした石川梵さん(坂本慎平撮影)
ドキュメンタリー映画「くじらびと」の監督をした石川梵さん(坂本慎平撮影)

石川さんは、受賞の報を受け「この映画は捕鯨を題材にしているが、政治的な意味の捕鯨問題を扱ったものではない。人間がいかにして生きていくべきか、大自然とどう対峙し、共生していくべきか、人間の生き方の原点を問うものだ」という。

また「コロナ禍で多くの人がどうやって生きていくか、確固たる指針を失っている中、あんなにも勇敢でありながら、人と人との和、大自然と人との和を大切にするくじらびとの生き方から学ぶべきことが多いのではないか」と述べた。

トム・ブリスリン審査委員長は「この小さな村の物語には、生きること、回復力、文化の保全など普遍的なテーマがつまっている。村全体が家族のように共に働き、祝い、分かちあう姿は、遠くから観察しているという感覚はない。観客も物語の一部と感じることができるだろう」と語った。 (坂本慎平)