浪速風

聞いて、実行する力

森田祐司会計検査院長(左)より令和2年度決算検査報告書を受け取る岸田文雄首相=5日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)
森田祐司会計検査院長(左)より令和2年度決算検査報告書を受け取る岸田文雄首相=5日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

「面白そうに聞く」「安易に『分かります』と言わない」「知ったかぶりをしない」―。阿川佐和子さんのベストセラー『聞く力』には、そんな聞くための極意がたくさん紹介されている。さて、「聞く力」がアピールポイントのこの人はどうだろう

▶あちこちで精力的に車座対話を実施してきた岸田文雄首相だ。東日本大震災の被災地や、新型コロナウイルス禍で前線に立つ医療関係者、観光業界、飲食店経営者など、現場の声は切実だったはずだ。それぞれ共通の課題や問題もあれば、地域や職種、置かれている現状によって異なる要望もあろう

▶ただ、インタビュアーは面白い話を聞き出すのが仕事で、聞けた時点でほぼ目的は達成されている。でも政治家は違う。ただ聞くだけでは仕方がない。もちろん首相の言う「聞く力」とは「耳を傾ける力」つまり、「聞く耳を持っている」という意味だ。聞いたら次は「実行する力」である。経済対策の中身が問われる。