習近平氏の長期政権にらみ人事調整本格化 6中総会開幕

8日、北京市内で、6中総会の会場とみられる施設近くで警戒にあたる警察官(共同)
8日、北京市内で、6中総会の会場とみられる施設近くで警戒にあたる警察官(共同)

【北京=三塚聖平】中国共産党の重要会議である第19期中央委員会第6回総会(6中総会)が8日、北京で開幕した。毛沢東、鄧小平の時代に続く「第3の歴史決議」案を審議し、最終日の11日に採択する見通し。習近平総書記(国家主席)が、来年秋の党大会で目指す異例の3期目入りへ重要なステップとなる。党内の地位をさらに盤石にした上で、長期政権に向けた人事調整を本格化させる。

国営新華社通信によると、習氏は討議初日の8日、40年ぶりの歴史決議となる「党の100年の奮闘の重大成果と歴史経験に関する決議」案について説明した。同日朝、会場となる北京市中心部の施設周辺では、多くの制服警官や私服の当局関係者が警戒。施設前の大通りは何度も一時通行止めとなり、党関係者が乗っているとみられる高級車が会場に向かっていた。

党内では、過去に毛、鄧のみが行った歴史決議は重い意味があるとみなされており、習氏はこれに続くことで歴史的指導者としての権威づけを図る。来年の第20回党大会で総書記3期目入りを視野に入れており、今後、それをにらんだ人事が行われると指摘される。

香港紙の明報は8日までに、上海市トップの李強(り・きょう)・市党委書記や、広東省トップの李希(り・き)・省党委書記が、党や政府の主要ポストが置かれている北京に異動するという消息筋の情報を伝えた。李強氏の後任には陳敏爾(ちん・びんじ)・重慶市党委書記を挙げており、3人とも習氏の側近だ。北京で経験を積ませ、要職に起用することが取り沙汰される。李強氏は、次期、もしくはその次の指導部で首相に抜擢(ばってき)する可能性がささやかれる。

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