「海なし県」にサバ養殖場 埼玉の入浴施設

サバの稚魚に餌を与える入浴施設「おふろcafe 白寿の湯」の吉田健一郎支配人=8日午後、埼玉県神川町(中村智隆撮影)
サバの稚魚に餌を与える入浴施設「おふろcafe 白寿の湯」の吉田健一郎支配人=8日午後、埼玉県神川町(中村智隆撮影)

「海なし県」の埼玉で育ったサバを召し上がれ-。埼玉県内を中心に日帰り入浴施設を展開する温泉道場(同県ときがわ町)がサバの陸上養殖を始めた。運営する入浴施設で養殖を行い、施設内のレストランで食材として用いる計画で、養殖の様子も公開して呼び水にすることを目指す。

養殖場は、同県神川町の入浴施設「おふろcafe 白寿の湯」内に設けた。サバ養殖を手掛けるフィッシュ・バイオテック(大阪府豊中市)と、養殖ビジネスを多角的に展開するジャパン・マリンポニックス(岡山県玉野市)の協力を得て、20トンと7トンの水槽に人工海水を張り、人工孵化(ふか)で生まれた2千尾超を育てている。

養殖場は土日祝日に限って公開され、餌やりなどを楽しむこともできる。「稚魚が大きくなるときにまた来たい」「『海なし県』で養殖をやるのは面白い」と好評という。

自然界ではサバが成魚になるのに3年ほどかかるが、餌の量や水温を管理することで期間を1年程度に短縮できるといい、成魚に育った後は白寿の湯のレストランで提供する予定だ。

海で育ったサバは寄生虫のアニサキスの心配があり生食に適さないが、白寿の湯の養殖場の条件下ではリスクがないとして、生食での提供も検討する。

白寿の湯の吉田健一郎支配人は「海がないのに『埼玉県産のサバ』というのは話題性がある。サバ養殖を通じて埼玉を盛り上げたい」と語った。(中村智隆)